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第5話 ~説明会だけど元気にいきましょうか!~

1ヶ月後の話になります。


 今回はチョロッと新キャラ登場だお。


 それでは、どそっ



 ~1ヶ月後~


 今僕は、魔王専用の執務室に置かれてある大きく柔らかな椅子に腰掛けている。


 衝撃の”僕転生召喚されちゃった事件”から1ヶ月あまり、だいぶこの世界と今の自分の状況について理解してきた。


 とりあえず、魔族と人族についての説明をしようと思う。

 まず、知っているとは思うが、魔族は人族に比べてかなり弱い、さらに数も圧倒的に少ない。

 しかし、身体の丈夫さや運動神経に限っては魔族の方にかなり分がある。 ならば何故魔族は人族に負けてしまうのか。


 答えは簡単。

 それは”魔法”の存在にある。


 人族は魔法が使える、反対に魔族は魔法が使えない。

 この差は小さいようで実はとても大きい。


 そんな力の差があるにも関わらず、魔族の方々は復讐だのなんだのと言っているのだ。 そんなの、一匹の狼が銃を持った三人の狩人に突っ込んでいくようなものだ。



 分かって頂けただろうか、今現在の僕の非常に苦しい立場を……。

 正直無理だ、こんな状況の魔族が人族に復讐するなんて、それこそ魔族が魔法を使えるようになるか、魔法に勝るだけの力を開発するしかない。


 ……17歳にして胃に穴が開いちゃいそうだよ……あ、もう18歳になるんだっけ?


 まぁそれはいいとして、次に何故、魔族が人族にこれほどまでの憎しみを抱いているのかだが、それを知るには此処『アーガス』の歴史を知ってもらうのが一番手っ取り早い。



 今より約600年前、その頃は人族も魔族も仲がよく、互いに手と手を取り合い平和に暮らしていたという。


 しかしその数十年後、人族側にキースという男が現れ、キースト教という宗教を開いた。 そして数百年という年月をかけて信者を増やし続けたキースト教は、のちに『教国』と呼ばれるようになる大国を作る(余談だが、魔法を開発し、広めたのがキースト教らしい)。

 その権力は各国まで及び、今では”キースト教を敵に回すこと=教国を敵に回すこと”と言うのが常識となっている程だ。

 そんなキースト教の掲げるスローガンこそが『魔族の撲滅』なのである。

 そして今より約200年ほど前、教国を中心とした『魔族狩り』が始まった。 最初は魔族狩りを拒んだ国もあったらしいが、魔法に関する権利を全て持っており、強い影響力を持つ教国に逆らえ切れず、結局実行してしまったらしい。


 まぁどっちにしろ、今ではどこの国でも魔族は悪者とされ、見つかり次第即処刑らしいんだけどね。


 これぞまさしく悪・即・斬! ってね。



 んーと、まぁ大体の歴史はこんな感じだね。

 まぁここまで話して分かったと思うけどーーーーーー結局魔族は何もやっていないのである


 そりゃあ人族を恨むのも無理ないよね、むしろ恨んで当然だよ。

 この街にいる魔族だって命からがら逃げ延びた人?魔人?ばっかりらしいしね。……あ、ちなみに魔族の平均寿命は約300歳らしいから、結構な数の人が魔族狩りを経験している。



 ……って、



「僕はさっきから一体誰に向かって話かけてるんだ?」



 ……まぁ今更だからいいけどね、僕ことラディオス=パープニルは1人喋りが得意な魔王様ってことで!

 1人喋りは大事なスキルなんだよ?

 ……ぼっちにとってはだけど……。



 えーと、それでなんだっけ?


 ……あっ、そうだそうだ。


 結局僕が何を言いたいかってことだけどーー所詮、人間はどこの世界でもゴミクズ以下の存在であるということだ


 自らの理想と異なるものを悪と決めつけ、自らの為だけにそれらを踏み潰そうとする。 この世界の人間だって同じだ、他種族である魔族を悪とし、正義という名の自己満足を貫き通そうとする。

 所詮は自己満足だ。

 たとえ魔族を滅ぼしたところで、彼らへの実質的利益は何もない。

 あるのは魔族という一種族の絶滅だ。


 だから僕はこれを防ぐ。

 なんたって僕、魔王ですから。


 そして宣言しよう。



「人族を…………駆逐してやるっ!」



 ……別に某巨人マンガのパクリなんかではない。

 ぱっと頭にこの言葉が出てきただけだからね?





ーーーーー



「とは言ったもののなぁー、どうやって人族倒せっていうんだよー」



 宣言数分後に頓挫した。

 

 僕は机に両肘をつけ両手に顔を乗せる。



「そもそも何で魔族は魔法を使えないんだよー」



 それが、人族を倒すにあたって、最大の問題である。


 椅子が大き過ぎて、床に付かない足をプラプラと揺らす。



「せめてその原因さえ分かればなぁ」




ーーーーコンッコンッーーーー




 ……およ?

 誰か来たみたいだね。


 僕は扉をノックしたであろう人物に向かって返事をする。



「はーい、どうぞどうぞー」


「し、失礼しますぅ」



 か細い声で恐る恐るといった感じに入って来た女の子『イール=エリオス=イース』である。

 常にメイド服を着ており、紫の綺麗な髪をお下げのツインテールで纏めている。

 一本の角を、ちょこっとだけ額から覗かせている。 美人というよりは可愛いく、触れば壊れてしまいそうな儚さを持つ。

 顔面偏差値は79、なかなかの高得点だ。



「やぁイール、どうしたんだい?」



 ちなみに彼女は僕の”専属メイド”である。

 どうだ、羨ましいだろ。



「ケルリア様が技能鑑定を魔王様へ行いたいと仰っていますですぅ」



 技能鑑定?


 まぁ名前からして何をやるのかは想像がつくけど……



(行ってみれば分かるか……)





「分かった、どこでやるか道案内頼めないかな?」






次回、めっさ短いです(泣)


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