第4話 ~命名しちゃおうかな!~
う~ん。
この物語って面白いのだろうか……。
謎ですな。 それでは、どぞっ
「……で、今に至ったという訳です」
「ふ~ん、なるほどねー」
目の前にいる青髪青紫肌の美女は『ケルデア=ランケスター=リアデリア』という名前の”幹部魔族”である。
他の人達は短くして『ケルリア』と呼んでいる。
ちなみに僕もそう呼ばしてもらっている。
耳の少し上から角が生え、前に突き出す形で伸びている。 ちなみに巨乳でナイスバディだ。
顔面偏差値は、なんと78
最初は”ケルリアさん”って呼んでみたんだけど、そしたら慌てながら『さん付けなどお辞め下さい』って懇願さちゃった。
僕的に、年上そうだから敬いたかったんだけど、そのまま放っておいたら、いつまでも頭を下げていそうな勢いだったから、仕方なく呼び捨てにしている。
彼女には、僕の現在の状況や今いる場所についての詳しい説明をしてもらった。
分かりやすく説明すると、
一つ、ここは地球ではなく、いわゆる異世界であるということ。
一つ、この世界は主に5種類の種族で構成されており、ここはその内の一つである”魔族”が主に住む魔大陸であるということ。
一つ、現在魔族は、人族のせいで存亡の危機であるということ。
一つ、その状況を打開するために僕が”魔王召喚”されたこと。(異世界の生物限定だそうだ)
一つ、幹部魔族はケルリアを含め元々7人いたが、その内の3人が死亡、残る3人が人間大陸に捕虜として捕まっているということ。
一つ、魔族は悪事を何一つやっていないにも関わらず、人族のエゴで滅ぼされかけているということ。
一つ、そのことに魔族は非常に腹を立てており、復讐したくてしたくてたまらないということ。
一つ、しかし魔族は数も少なく、戦える者がいないということ。
一つ、対して人族は戦闘訓練を受けている者も多く、”魔法”という強力な攻撃手段を持っているということ。
以上である。
正直に言おう。
ーー無理ですっ!
無理無理無理無理!
だって数も少数、しかも戦えないんでしょ!?
そんなのジャイ○ンが百人いるにも関わらず、ただでさい弱い、の○太君が1人で立ち向かうようなもんだよ!
……うん、今回の例えは少し良かったんじゃないかな。
ってそうじゃなくて!
「……それでケルリア、僕は具体的にどんなことをすればいいんだい?」
「はい、我々を強く、逞しくして下さい。 それも人間を圧倒できるほどの」
……んな無茶なぁ。
そんなの、公式も何も教わってないのに、数学の難問を解いて下さいって言っているようなもんだよ?
……ごめんなさい、さっき少しだけ上手に例え話が出来たので調子に乗りました。 はい、次からはあまり多用しないようにしますです。
そんなくだらないことを考えていると、前方から視線を感じた。
ふと顔を上げると、少し悩んだような顔をしたケルリアと目が合った。
「どうしたの?」
「い、いえ……」
目を逸らし、誤魔化そうとするケルリア。
そんなふうにされたら余計に気になっちゃうじゃないか!
少し無理やりでも聞き出そうと思う。
「ほら、言いたいことがあるなら言ってごらん。 別に怒ったりしないから」
「…………それでは、失礼ながら魔王様の名前の方を聞いても宜しいかと……」
なんだそんなことか。
そうだなぁ、せっかく悲願の脱人間を果たして魔族になれたんだから新しい名前にしたいなぁ。
「……ケルリア、鏡か何かを持ってきてくれないかな?」
「鏡……ですか、小さいものならすぐにでも」
「うん、それでいいよ。 顔さえ見れればいいからね」
「承知致しました」
ケルリアは、一番近くにいた侍女のような人に命令し、手鏡を持って来させた。
「……このような物であれば」
「ああ、うん、上等だよありがとね」
「はっ、有り難きお言葉」
恭しく膝を折り、頭を下げる。
うーん、年上の人にこんなに丁寧にされるなんて初めてだけど、あんまり居心地の良もんじゃないなぁ。
「ケルリア、そんなに畏まらなくていいから、僕も気が引けちゃうよ」
「し、しかし、あなた様は偉大な王であり、私はーー」
「あー、うん、そういうのあんまり好きじゃないんだ。 もっとフレンドリーに接してくれていいよ、その方が僕としてもやりやすい」
「……わ、分かりました。 しかし、元の話し方がこのようなものなので、そこら辺は御容赦を」
歯切れ悪くそう言ってくるケルリアに僕はオッケーと軽く返す。
「これが魔王というものなのでしょうか?……それにしては態度が軽すぎるような気が……」(ボソッ)
なにかケルリアがブツブツ言っているけどよく聞こえない。
まぁいいや、
……何はともあれ、これで変に気を使わなくて済む。
ではでは、お待ちかねの”イッツ 名前 シンキングターイム!
手鏡を覗き込む。
そこに映っていたのはビックリ仰天、なんと青紫色の僕だった。 なんてことはない、ただ肌の色が”魔族の証”である青紫色になっていただけなのだ。
この事はだいたい予測は出来ていた。
周りの魔族の人達が普通に接してくれていたんだ、そこから考えると、僕は周りの魔族から見ても”普通”に見えているということ、簡単に予測出来る。
次に角があった、まさに角と言った感じの角で、ドリルのようにグリグリと捻れており、額の少し上の辺りから二本生えている。 しかも金色でかなりデカい。
見た目金色の角を生やしたバッファロー○ンって感じだ。
髪の色は深く濃い紫、ぱっと見は黒に見える。
顔の造形は人間だった頃とあまり変わっていない。 ただ目が黄金色にギラギラと光り、八重歯が少し鋭くなっている。
うん、確かに魔族だね。 もう魔族魔族し過ぎて魔族以外の何者にも見えないよ。
名前はそうだな………………よし、決めた。
僕は持っていた手鏡をケルリアへ返し、こう言った。
「僕の名前はラディオス、『ラディオス=パープニル』だ」
新キャラ登場!
まだまだ登場してきますよお!
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