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青春Logic!  作者: 史世
第二章 ヒロイン
5/14

Card 2‐2

「え、え?」

「32頁、問3。ちなみに答えは4√5だ。」


 愛想のないそれは、前の席の青柳君だ。

 彼とは何回か話したことがある。いつも本を読んでいるイメージしかないが。

 大体、あの先生はバラバラにあてるのに、次に私が当たる? 嘘だろ。


「勘試しなら他でやってよ、青柳く――」

「じゃあ、次は……透間さん」


 呟いた台詞は先生の声に消えた。な、なんだとう!


「え、は、はい! ええっと、4√、5……です」

「はい、正解。よく解けたな。おおっと、もうこんな時間か。今日の授業はこれで終わり!


 ちゃんと宿題やってこいよ!」

 そう残して、先生は教室を出ていく。

 宿題……どこだそれ。


「36頁、問1~問4。あんた、ほんとなんも聞いてねえのな。」


 声の主へと顔を向ける。

 青柳君がこちらを振り向いていた。


「あ、青柳君。ありがとうございました。」


 私はそれだけ言って、顔をそらした。


「……でも、なんでわかったの? エスパー?」


 すると、急に会話に加わる赤木さん。青柳君は不可解な顔をしつつも、答えた。


「昔っから勘だけはよく当たんだよ。それにあの教師、お前の事見てたしな。」


 ふうん、と軽く相槌を打つ彼女。


「ここまで来るともう呪いとしか言いようがねえよな。」


 そんな言葉に、私はびくりと肩を震わせた。呪いだって?


「呪い?」


 赤木さんも私と同じように聞き返す。まあ、私は心の中でだけれど。


「そうだろ、当たりすぎンだよ。俺も怖いくらいな。中学の時はよく気味悪がられてたよ」


 無理に笑ったようなその顔。


「そうかな? 私はすごいと思うけどなあ、それ。」


 彼女は話し続ける。


「だって、常に頭の中で何が起こるか計算できてるってことでしょう? もう天才じゃん。羨ましすぎるよ。……例えば、枯れてしまった花は戻らないよね? でも、それが枯れる前に気付いて水をあげられるのが青柳君。ほら、そう考えるとさ、なんかかっこよくない?

 青柳君、かっこいいよ! ……って、ごめん! 偉そうだった――」


 ちらりと青柳君の方を見ると、彼は。


「え、ちょ、」

「はは、いたなあ、昔。同じこと言った奴がさ。」


 口元を左手で抑えてはいるけれど、その耳は真っ赤で。


「照れてる?」

「ばっ、だれが!」


 少し怒ったような顔で、微笑んだ。


「……まあ、一応。さんきゅな。ちょっと救われた。」


 おお。もしかして惚れたか。惚れたのか、青柳君。

 そんなバカなことを考えていた時であった。

 しゅるん、と青柳君の胸のあたりから何かが落ちる。

 それは、青い一枚のカードだった。何の躊躇いもなく、赤木さんはそれに手を伸ばす。

 盗み見してみると、書いてある文字は……The Hermit? なんだろう、あれ。

 私は不可解に眉根を寄せたまま、次の授業開始のチャイムを聞くのであった。


青柳君,簡単に落ちてしまいましたね……


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