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ごほうび  作者: choco
21/24

貴志 4

試合風景・貴志バージョン です。

といっても やっぱり私に試合中は描けないので、ハーフタイム中。

…サッカー全然知らんのに こんなん書いたらダメですよね。すんません、お許しください<m(__)m>

 *** Shuu ***


「カズ、いけるか?」

「当たり前だ! 何ともねーっつってん…っつっ、亜莉! そこじゃねー、こっち!」

「ご、ごめん、大丈夫?」


ハーフタイムに入ると、タカシは いきり立つカズヤを 無理やりベンチに連れていって座らせ、右足を見た。


「大丈夫だな、やられてはいねーか…

 カズ! あそこは行くなっつっただろが! 勝手なことすんじゃねー!」


タカシが怒鳴った。

めずらしい。

ゲーム中ならまだしも、タカシがベンチで こんなに熱くなることはない。


「何言ってやがる! そんなん いちいち聞いてられるか!」

カズヤのほうは 毎度のことだ。


前半、ゴールこそなかったが、2シュート1アシスト、おまけに敵カウンターもカットと大活躍したカズヤは、案の定集中マークにあい、前半終了まぎわに はげしく転倒させられた。

イエローカードものだったが、相手チームはラッキーにも 結局反則は取られず、しかしこちらも運良く カズヤにケガはなかった。


美緒が皆に 冷やしたタオルを手早く配る向こう側で、二人の怒鳴りあいは続く。


「だまれ! キャプテンは俺だ!」

「うるせー、行かなきゃ取られるだろーが!」

「もう知らねー、勝手にしろ! テメー次取られてみろ、すぐに交代だぞ!」

「ぬかせ、誰が取られるか! クソッ あいつら、絶対負けねー」


タカシはベンチわきのブロックを()ると、外へ行った。


まずいな。


試合運びは悪くないし、何しろ今のところは1点リードしてるので、雰囲気はそれほど悪くない。

問題は、この二人だ。


カズヤのほうは、亜莉にまかせておけば まあ大丈夫だろうが…。


「シュウ! ちょっと来い!」

案の定、ありがたくないご指名がかかる。


美緒が、俺にポカリを渡しながら、少し困った顔で目くばせした。


少しは 休ませろよ。 あいつら 疲れてねーのかよ?


俺は 大きく一つ息をつき、重い足取りで タカシの元へ向かった。


「なあ シュウ、お前はどう思う?」

「どうって、どう考えても 今 カズをはずす手はないだろ」

「やっぱ、絶対去年のほうが良かったよな。

 今年のはスカート丈が長すぎる。 あれじゃ萌えねー」

「落ち着けよタカシ、お前らしくねーぞ。 今は私情は…

 …ちょっと待て。 お前 何の話をしてる?」

「何のって、ハーフになったら 東高のチアの新しいユニフォーム鑑賞するって言ってたじゃねーか。

 あのタンクトップは悪くねーんだが… ここからじゃいまいち角度が」


横歩きで 左へ移動しようとするタカシを つかまえる。


「テメ… カズのことは どうすんだよ」

「あ? ケガでもないのに、こんな時に休ませるかよ」


こ、こいつ…

やられた。 さっきのは 演技か。


「俺とケンカして 気がたってるカズヤクンには、今 亜莉がフォローしてんだろ」


…この男、そこまで計算してやがんのかよ。 全く、なんてやつだ…


「まあ マークはかなりキツくなるだろーけど、今のあいつなら いけんだろ。

 今日のカズ、いいと思わね?」

「…お前の作戦どおりってか?」


俺のいやみを さらりと流して、彼は涼しい顔で続ける。


「俺 最近気付いたんだけどさ。

 チームん中で あいつだけは、俺の作戦どおり動かすより、

 自由にさせといたほうが 何故か 点かせいでくんだよ」

「…へぇ」

「あいつの勘ってやつには 知能指数どんだけあっても 絶対勝てねー。

 何しろ野生だからな」


「例の作戦のほうでは 勝ってんじゃねーの?」

「当たり前だろ。 あれは試合じゃねえっつの。

 カズと俺と、どんだけ経験値の差があると思ってんだよ?」

…おっしゃる通り。


「超高校級のお前がいれば、絶対的に有利なのは 間違いない。

 あとは それをどう有効利用するかなんだ。

 チームの力もだいぶ上がってきたし、そこそこの所までならいける。

 頭脳戦になるんだったら、俺なら 絶対負けねー。

 けどやっぱ この先は、それだけじゃ 勝てねーんだよな」


タカシは、ベンチを振り返った。

亜莉の処置も終わり、カズヤが 早々とフィールドに出ようとしている。


「カズの感性は マジすげーんだよ。 あれを使わねー手はねえんだって。

 味方の俺にだって 全然読めねーんだから、敵にも わかるわけない。

 まあ それがいいか悪いか、はっきり言ってバクチみたいなもんだ。

 しかも 痴話ゲンカ中は絶対プレー荒れるし、あいつだけは 使いにくくてかなわねー」


タカシは やけに楽しそうに話す。 本当に 試合が面白くて仕方ないみたいだ。


俺は、タカシの気持ちが わかるような気がした。

カズヤはたぶん、使いようによって その価値を大きく変えるのだ。

使いこなせなければ 0か1か、上手く使えば100にも 1000にも、もっと いくらでも大きくなるだろう。


それは 頭脳戦を楽しむタカシにとって、この上なく 面白い素材にちがいない。


「この試合は 絶対勝ちたいからな。

 カズは ベストコンディションで 働かせねーと。 俺の推薦もかかってるし」

「…お前、もしかして そっちが本命の理由?」


「お前ら 早くしろ!!」

ピッチから カズヤが怒鳴る。


タカシは 一度チラリと ベンチを振り返ると、

「どっちでもいーじゃん」

そう言って ピッチに向かった。


ベンチでは、俺の彼女のとなりで、心配そうな顔の もう一人の少女が立ち上がり、誰かの名を叫んでいた。


最後のタカシのセリフの「どっちでも」とは、『亜莉のため』か、『試合に勝つ(和矢を活躍させる)ため』か ということです。

実は、この話の最後まで タカシの本当の気持ちはわかりません。

作者的には、彼はわざと結論を出していないのでは、と思っています。

ところで、このチームに監督がいないのは 見逃してほしいです^^;

いや 他にも、おかしなところ満載なのですが、どうか見逃してください<m(__)m>

次回も 試合・和矢バージョンです。

次回、更新が遅れます。すみません<m(__)m>

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