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ごほうび  作者: choco
16/24

美緒 3

<美緒2>の続きです。

 *** Shuu ***


しばらくして落ち着いた美緒を連れて戻ると、タカシは彼女を見て 少し片眉(かたまゆ)をあげた。


彼女の目が 少し赤くなっているのに 気付いたのだろう。

本当に そういうとこ、目ざといんだよな…



部活も終わって、俺は 美緒が更衣室から戻ってくるのを待っていた。

今日は いつも一緒に帰る亜莉もいないので、俺と帰ることにしたのだ。


パタパタという軽い足音に振り返ると、彼女が かけてきた。

制服のスカートをふわりと(ひるがえ)し、こちらに手をふる。


「タカシ」


…なんだよそれ? 俺じゃないのかよ!?


帰りかけていたタカシは、意外なご指名に (まゆ)をひそめて、ちらりと俺を見た。


彼女は そのまま俺の前を通り過ぎ、彼のところへ行った。


「…さっきはごめんなさい。

 ただの悪ふざけでやってると思って」


「…あー…いや、まあ…」


タカシは、美緒に素直に謝られて しどろもどろになる。

やはり、そういう気が 全く無かったわけでは ないらしい。


美緒も、それは わかっているようだ。

こっそりこちらを見て笑うと、チロリと舌を出してみせた。


俺は、吹き出しそうになるのを 必死でこらえた。



美緒といるのに 耐えられなくなったタカシは、俺に話しかけてきた。


「シュウ、お前なぁ…

 自分の女と 他の男の仲を 取り持つなよ。 理解できねー」


俺は思わず 目をそらす。 やっぱ お見通しか。

彼は、ため息を一つ吐いてから 付け加えた。


「…まあ、お前らだから 出来るんだろーけどな」


美緒は それを聞くと、うれしそうに微笑んで、俺のとなりに来た。


「…それに タカシがいつも、亜莉のこと 大事にしてくれてるのも 知ってる。

 カズヤは、相変わらず あんなだしね。

 感謝してるよ、本当に」


美緒は そう言うと、もう一度 にっこりと微笑んだ。


タカシは しばらく無言で美緒を見つめると、何も言わずに 帰り道を歩き出した。


俺達は一瞬 顔を見合わせ、彼についていった。



しばらく 無言で歩いていると、突然 タカシが話し始めた。


「…この前の試合の帰り、あいつら もめてただろ。

 亜莉がしょげ返ってたし、話聞いてやったんだよ。 そしたら…」


話を聞いた俺は、あきれて言葉が出なかった。

美緒も 何も言わない。


「…つまり、自分は良いけど 他の奴がそんなことすんのは絶対許せねー、

 だから あわてて亜莉を(だま)らせたってか」


「見たのが レイカだったりしたら、あいつ 絶対、自慢(じまん)しまくるんだぜ。

 皆で一緒に のぞきに行くのかもな。

 まあ カズは、ただのバカだけど」


前から来た車とすれ違い、タカシは、俺達より数歩 前に出た。


「でも、あのバカが いつまでもあのままだと、亜莉が泣くからさー…

 …亜莉も、なんで俺んとこに来っかなー」


俺達の少し前を行くタカシの顔は 見えない。


「…タカシ…」


「わかってるって、美緒。 お前の制裁(せいさい)は もうごめんだからな」


振り返った彼は いつも通りの表情で、ニヤリと笑って見せる。



俺は、タカシが あれほどモテる理由が 少しわかった気がした。


タカシが言ってる「この前の試合の帰り」の話は、だいぶ前の<亜莉2>での話です。

亜莉の着替えをカズヤが見ちゃった話。 昔すぎて、皆忘れてますよね…^^;

ちなみに、タカシ・ブラック説は まだ継続中。(つまり彼の行動には まだ別の目的があるってことです)

それについては 後の<貴志4>に出てくる、試合中の会話で。

次回は 亜莉です。

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