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ごほうび  作者: choco
13/24

貴志 3

<貴志 2> の続きになります。 語りはシュウ。

今回はちょいシリアス。

 *** Shuu ***


「なあ、美緒のこと、怒ってるか?」


帰り道で 俺は、言うかどうか迷っていたことを、タカシに聞いてみることにした。


「別に。 今さらだろ、あいつの過保護(かほご)は」

「でも、タカシ お前…」


タカシは俺をにらんだ。


「…シュウ、テメー やっぱ始めから気付いてて、俺に付き合ったな。

 巻き込まれたとか言うんじゃねーよ」

「…だから 最後まで付き合っただろ」


彼は 軽くため息を吐いた。

やはり、ただ遊んでいたわけではないのだ。


俺は ついでとばかりに、もう一つ気になっていたことを聞く。


「他の女のこと 出してまで、やらなくても 良くね?」

「それじゃ意味ねーんだよ」

「なんでだよ?」

「だからさぁ」


タカシは、俺を見て ニヤリと笑った。


「…楽しめねーじゃん、俺が」


俺は、タカシの顔をまじまじと見た。


…レイカと 亜莉との、違い。

…彼にとって唯一の 特別な存在を、はっきりと思い知らせるため。


確かに、タカシのやり方は荒療治(あらりょうじ)だ。

でも 付き合いの長いあの二人が 次のステップに進むには、必要なことなのかもしれない。

特に (みょう)なところに意地をはる、あの頑固(がんこ)なバカには。


…確かに 頭脳派だよな。


他人を 自分の思うままに動かせる。

まるで、ゲーム盤上の(こま)か なにかのように。


キャプテンとしてのタカシが そういう才能に非常に()けているのは、よく知っていた。

俺達のチームがここまで上がってこれたのも、タカシの持つ そのずば抜けた才能によるところが大きい。


でも まさか、それを こんなところで発揮(はっき)してくるとは。


「…お前って、マジ 怖えかも」

よく考えてみれば、末恐(すえおそ)ろしい才能だ。



あの日、いつまでも のぞいているのかと思ったが、

亜莉が立ち去り、カズヤとレイカが移動を始めると、タカシは素早く 表へ出た。


一瞬、カズヤを(なぐ)りに行くのかと思った。

しかし、タカシは 別方向へ向かった。


「おい、(うば)うつもりか?」

思わず俺が言うと、タカシは振り返った。

「…また 美緒にやられるぞ」

彼は肩をすくめる。


「そんなんしねーよ。 俺は当て馬役はしねえ。 行くなら 確実にいただくさ」



今回タカシは、標的をカズヤにした。

そして、タカシの思惑(おもわく)通り、カズヤは翻弄(ほんろう)されている。

あの 普段は勘だけで生きているような奴が、悩んでいるのだ。

それは確かに、絶滅危惧種(ぜつめつきぐしゅ)なみに(めずら)しい光景だ。


だから、俺は うっかり見過(みす)ごすところだった。

タカシがそこに的を定めた理由は、美緒という障害があったから。

タカシの本当の標的は、やはり…

きっとそれは、タカシにとって、ある意味 特別な存在なのだろう。



タカシが()れたのが 美緒でなくて、本当に良かったと思う。

もしそうなら 俺は、安眠することは 決して出来ない。


確実に、完璧に、出来ると言い切る、あの自信。


試合前の作戦会議を思い出す。

タカシの強い言葉に、皆がどれほど 引き上げられただろう。



俺は、隣を歩く 俺と同じ年のはずの男を、改めて見直した。


シュウが聞くのを迷っていたこととは、タカシの今回のいたずら?の目的。

「タカシの本当の標的」は、最終話の最後のシュウのセリフに出てきます。

まあ、だいたいほとんど わかってるようなもんですが^^;

次回は美緒です。 次からは女の子シリーズ。

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