和矢 3
<和矢 2>の続きです。 和矢の一人語り
*** Kazuya ***
最近、ずっと俺はおかしい。 自覚はある。
少し前から 俺は、亜莉の言動が いちいち気になっていた。
誰に対しても警戒心を持たず、開けっぴろげなあいつに苛立つ。
少々色気不足とはいっても、一応女なのだ。不埒な思惑で近付く輩だって、多いに違いない。
皆に分け隔てなく優しく、笑顔を振り舞いているあいつに苛立つ。
特別な好意からの態度と誤解されたりしたら、面倒なことになりかねないのに。
この前だって。
買ってもらったアクセサリーを うれしそうに身につけ、常ならぬ様子で服装を気にして、
まわりからも恋人同士に見えるほど親しげに、シュウとデート気分で浮かれているあいつに、
どうしようもなく苛立った。
その上、最近よく亜莉のうわさを耳にする気がする。
誰と話してたとか、どこで見かけたとか。
大したことではないのだが 知らないことが多く、何となく面白くない。
ほとんどが タカシ経由というのも気になる。 あいつら、今までそんなに親しかったか?
タカシなんか 女はより取り見取りなんだから、何も亜莉にまで そんな気をまわさなくてもいいだろうに。
全く、そういうことには目ざといヤローだ。
つい この前までは、対等のはずだった。
それほど性別を意識することなく、一緒にいた。
でも、あいつはどんどん女になっていく。 まわりは敏感にそれに反応する。
タカシに指摘されるまでもない。 俺は焦っていた。
それなのに、あいつの態度は今までどおり。
俺に対しても、まわりに対しても、以前と何も変わらない。
あたふたしているのは、俺だけだった。
ただの 独占欲だ。
俺一人のものだったあいつが、離れていくようで。
あいつが俺のものだったことなど、ただの一度もないのに。
あの日、一緒にいたのが シュウでなく 俺だったら、あいつはどうしただろう。
俺が買ったものを あんなふうにうれしげに 身につけるのだろうか。
俺のために考えて 服を選んだりするのだろうか。
恋人同士に見えるほどに 俺に寄りそって歩くのだろうか。
そんなふうに変わっていくあいつに、俺は苛立っていたはずなのに。
でも もし、その時 隣にいるのが 俺だとしたら?
俺は やはり苛立つのか?
それとも満足できるのか?
…わからない…
俺が変わっていく時、隣にいるのは 亜莉なのだろうか?
それは 例えば、レイカではない? 何故?
そして 亜莉が変わるとき、その隣にいるのは 誰?
だから、そんなぐずぐずと悩んでる間に、ウラで黒い奴が…
なかなか話が進まず、だらだらしてきてる気がする^^;
次回からは少し話も進むので、もちょっとおもしろいと思うのですが。
次回は<貴志3>です。




