11月21日月曜日『彼女のこんだて帖』
『彼女のこんだて帖』角田光代
長く付き合った男と別れた。だから私は作る。私だけのために、肉汁たっぷりのラムステーキを! 仕事で多忙の母親特製のかぼちゃの宝蒸し、特効薬になった驚きのピザ、離婚回避のミートボールシチュウ――舌にも胃袋にも美味しい料理はら幸せを生み、人をつなぐ。レシピつき連作短編小説集。
最近光代さんにはまってる私が、なんとなく学校の図書室で借りてなんとなく読み始めた本です。
全体的に暖かい雰囲気が有って、読んでいくのが楽しかったです。
本一冊を通して、ひとつシカケがしてあるんですよ。1話の主人公が居て、そこに脇役がもちろん登場するんですけど、2話ではその脇役が主人公になって、2話で脇役として出てきた人が、今度は3話で主人公になる――といった具合に連鎖していって、最終話では1話の主人公が脇役として少し登場するんです。誰かが居て物語が有って、その中に違う誰かが居る。その“違う誰か”にも、もちろん“その人の物語”が有る。それを上手く表現してるなぁ、と思った。
話毎の主人公の葛藤が有って、彼ら彼女らが料理を作る。そして何かを乗り越えて、前へ進む。これを読むと、料理って偉大だなって思う。私も料理がしたくなった。
何かに躓いても、心の整理をして、新しい気持ちでまた歩き始めるのって、大変だけど、歩き直した後は、きっと綺麗な世界が広がってる。そう思える一冊です。
ちなみにこの本、最後の方に、作中で登場した料理のレシピが載ってるから、実際に作ってみたいと思っても大丈夫っていう親切さね。




