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あとがき

 はじめまして&こんにちわ。雪宮鉄馬です。

 この度は、拙作「夏の日のノスタルジア」を最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。非常に拙い物語だったかとは思いますが、いかがだったでしょうか?

 一ヵ月半あまりの執筆期間を経て、ようやく完成させることが出来て、ほっとしています。本当は八月中に終わらせるつもりが、長々と続き、遅筆ゆえに遅々として進まなかったのは、わたしの精進の足らないところでもあります。

 今回は、全部で「原稿用紙三百五十枚」相当の長編となってしまいましたが、完成することが出来たのも、ひとえに、この物語を読んでくださった皆様のおかげと存じております。


 今作のもともとのコンセプトは、十五年まえ、まだわたしがガキんちょだった頃に思いついた「ノスタルジア」と言う小説でした。そこに、新たなエッセンスを加えることで、物語を再構成したのが、今作となっています。

 その、新たなエッセンスというのは、物語の端々で感づいた方も多いと思いますが、かの有名な映画「スタンドバイミー」です。「スタンドバイミー」についての説明は割愛させていただきますが、雪宮的なアプローチで、「スタンドバイミー」のような、少年時代の冒険旅行の物語を書きたい、と思ったのが執筆の動機でした。

 その影響は、物語の端々に現れています。たとえば、鉄橋のシーンや、ヨンちゃんの「ミートパイ男」の話、などがそれに当たります。オマージュと言うわけではないのですが、雰囲気としての演出といった側面も持ち合わせています。

 また、今回初めての試みとして、「二十年前のぼく」と「現在のぼく」の物語が交互に描かれ、クロスオーバーするという仕組みも採用しました。時間軸の転換は、読者を置いてけぼりにする可能性があるため、小説では「あまり好ましくない」とされる手法ですが、「二十年前」とか「あの日」「あの時」という単語を多様化してやることで、この文節は「現在のぼく」なんだ、この文節は「二十年前のぼく」なんだと、認識しやすいようにしたつもりです。

 どうしても、失意に陥った主人公と、少年時代の主人公の二人が同じ道を辿り、そして同じゴールで、最後に現在の主人公が希望を取り戻すと言う流れを作りたかったのです。

 そういった意味では、拙作「Belong」的な旅の小説、もしくはロードムービー的小説でもあり、同時に主人公がいかに再生するかがキーポイントの物語でした。


 冒頭の医療シーンですが、ここについては、実際のお医者さまがご覧になったら、ツッコミどころ満載かと思います。さすがに、本物の救急センターに取材するわけにも行かず、テレビドラマなどから想像して書いた部分ですので、なにとぞ平にご容赦を。

 だったら、主人公の職業を医者にしなければ良いだけのことなのですが、一度お医者さまを主人公にしたかったのです。

 そんな主人公の造形にも苦労しました。実はこれまでで、一番大人なのです。(拙作「凪の海」の主人公は、設定上二十代後半)

 だいたい、わたしの小説の主人公は十代が多く、また女性が多いため、その切り替えには苦労しました。

 また、これまでの主人公の中で、もっとも後ろ向きな性格をしています。その方が、シリアスな物語において心理描写を描くには、ラクなのですが、こちらまで暗い気持ちになるのは、玉に瑕です。


 そんな登場人物たちには、毎回恒例(?)の「名前の法則」があります。気付かれた方はいらっしゃいますでしょうか? 登場人物は、以下の人たちです。

『七尾(秋人の元同僚)、津田親子(火傷患者)、則本マサキ(最初に運び込まれた患者)、平沢(看護師)、乃木春江、野崎秋人、杉本四郎、高瀬梨花、留守冬男、神野武(不良)、浅井夏音』

 分かります? 苗字だけを平仮名にしてみましょう。

『ななお、つだ、のりもと、ひらさわ、のぎ、のざき、すぎもと、たかせ、るす、じんの、あさい』

 ……

 ……

 ……

 そうです、苗字の頭文字が、「なつのひののすたるじあ(夏の日のノスタルジア)」となっているんです。分かりづらくてごめんなさい。しかも、急遽登場させた「伸由さん」の名前は何処にも入れないので、苗字を設定しませんでした。 


 久々にシリアスな小説を書いた身としては、読んで下った方かいると言うだけでも、この上ない幸せなのですが、皆様の目にどのように映ったのか気になるところであります。

 もしも、何か思うところがあれば、是非お気軽に、ご意見・ご感想など書いていただけると、嬉しく思います。また、ご意見・ご感想は、いつまででも受け付けております。


 次回は、どのような物語にするか、早速思案しています。まだ、未定ですが、頑張って、少しでも精進できるように、書いていきたいと思っております。その際には、またよろしくお願いします。


 このたびは、本当にありがとうございました。また、皆様にお会いできることを願いつつ。


 雪宮鉄馬 2010/09

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