ダンジョン転送
桃とペコラに見送られてロシュークを発った3人は、カヌラーシのダンジョンを攻める。
「また、どこかに飛ばされるんじゃないか?」
ボルは不安を訴えるが、
「転送の仕組みを解析出来ないかなって!もし解ったらさ、ワープみたいに活用出来るでしょ?」
ゆいは好奇心に満ちていた。巨大な竜を一矢で倒す現場を目撃しているボルは、ゆいの勢いに従った。
ダンジョンは中級程度で、ミンシルとボルの戦闘教習をしながら降りて行く。50階層まである筈だが、16階層で降りるルートが見つからなくなった。
「ねぇ、ゆい、この前転送された時と雰囲気似てない?」
「そうね、調べてみるわ!」
周囲を鑑定すると、魔法陣がいくつも有り、魔法辞書を開いて術式を読み解くと、
「転送の魔法陣が、幾つもあるわ、転送先調べてみるね!」
ゆいは暫く、辞書と格闘し、魔法陣は5つ、転送先は、ボル達が飛ばされて来たスーラー、この前のシケッツァー、王都近くのツェーべ、南部のティダコッパ、内陸部のワカミカ。今度は地図とにらめっこして、
「カヒサーに向っているんなら、ワカミカに先回り出来るわね。」
ツェーべに飛んで、王都に入り、正式に冒険者登録をする案も考えたが、奴隷登録前に救出する方を優先した。
ワカミカ行きの魔法陣の上で結界を張る。転送の発動条件が結界、辞書で調べた通り、転送された様で、ガラリと雰囲気が変わり、漂う魔力もグッと強くなった。
「マジ?ラスボスっぽく無い?」
犬?狼?巨大な魔物にボルは後退り。
「そりゃ罠だからね、強い所じゃないと罠の意味無いでしょ?」
ゆいは既に弓を引いていて、涼しい顔で矢を放った。
額から後頭部を貫通し、一発KO。漬物石に使えそうなサイズの魔石を落とし塵になった。
先回りの為地上に向かう。魔物を倒してアイテムと経験値を集めながら登っていく。途中、他のダンジョンへの魔法陣も探したが、ここのダンジョンには設置されていなかった。
経験値はパーティーメンバーに均等に振り分けられる筈だが、冒険者登録もパーティー登録もしていないせいか、倒した本人にしか付与されていない。
今は奴隷商からクラスメイトを救出する事が優先なのでそこは気にしない。
地上に出て、ダンジョン間転送でカヌラーシから飛んできた事をギルドの出張所に報告、一般的なアイテムや素材を買い取って貰った。
「カヒサーに向かう奴隷商ですか?ここ数か月は通っていませんね。ここを通らなければ、何か月も迂回する事になりますから、これからいらっしゃるんだと思いますよ。」
ミンシルの問いに受付嬢か答えた。
一応想定通りだが、馬車の速度が見当ついていなかったので念のため確認。
宿屋は無く、キャンプスペースに泊まる。冒険者は無料だが、未登録なので3人で銀貨9枚のお支払いで、いつものテント。
ボルは合流した時点から、ミンシルも単独でテントを張れる様になり、それぞれ張って、ゆいは食事の支度。さっさと済ませ、早目に就寝した。




