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ロシュークの街

 ロシュークに着く迄、桃とペコラの表情は固いままだった。ギルドで買い取りの手続き。魔石は大きい街の専門店に持ち込む方が高額との事で、竜の素材とドロップアイテムで金貨63枚。ゆいは、ボルも含め5人で山分けと、提案したが、

「俺は助けて貰っただけだから分け前貰う訳には行かないよ。」

とボル。取り敢えず、宿を探すことにしてギルドを出ようとすると、


「あっ!僕、ココに残ってアレやるよ!」

ペコラは『受付嬢募集』の貼り紙に反応、桃も同調して2人で受付に走った。

 即採用で定住を決めた、早速家探し。借家や日用品等のスタート資金で金貨18枚程。転移して来た時のまま、セーラー服を着ているボルにコッチの服を買って、残りを4人で分けた。


 この世界に来て初めての外食。あまり美味しいとは言えないが、外敵を気にしないで食べられるのは有難い。桃とペコラは新居に帰宅、2人でいっぱいなので、3人は宿屋。ゆいとミンシルは一緒、ボルは一人でそれぞれ1部屋。

「ベッドひとつだからミンシルが使って!私ソファーに寝るから。」

「一緒に寝ようよ、2人で寝たって寝袋より広いよ!」

「いや、でも・・・」

「こういう時、一緒に寝るのが女の子の常識なんだからね!」

伝家の宝刀『女の子の常識』でゆいが折れた。


 シングルベッドに、2人で並ぶと、かなりの密度だった。ゆいは背中を向けて黙っていたが、

「ねぇ、ゆいって、ホントにシテないの?」

「うん、明日も早いからもう寝ようよ。」

「ホントに1回も?」

黙って寝たフリと思ったが、

「やっぱシテるんでしょ、今の反応、絶対そうだ!正直に言ってね、私がオープンなんだから、ゆいもそうじゃなきゃね!女の子の常識よ!」

このままでは眠らせて貰え無さそうだと、ペコラが桃にレクチャーした時に自分も試してみて上手くいかなかったので、以降試していないと、正直に伝えた。

「じゃあ、私が気持ちいいコツとか 教えてあげるよ、あっ!ソレより私が直接シテあげた方が良いかな?」

ミンシルはゆいの反応を待たずに、覆い被さり、唇を狙った。間一髪、首を捻って避けたゆいの目には涙が浮かんでいた。

「え?、あ!えっと、ゴメン、調子に乗り過ぎね。」

「えっと、うん、もう寝ましょ。」

気不味い雰囲気のまま灯りを消した。


「おはよ、ミンシル!早くご飯にしよっ!」

翌朝、ゆいは何事も無かった様に振る舞った。隣室のボルも起こして食堂に降りた。

 

 朝食を食べながら、チュートリアル期間の状況を報告し合う。ボルは5年間で大蛇の山をクリア、暴れ馬のボスに勝てずに繰り返しトライしていた。何回目かの大蛇の山の途中で5年経過して強制的に準備期間が終了したそうだ。

 得意な武器と魔法系統を確認して、チュートリアルでブリハスパティの為に鍛え上げた、雷土魔法と相性の良い大剣を使ってみることにして、カヒサーに向けて旅立つ。ここの住民と同じ様なシンプルなワンピースに身を包んだ桃とペコラが3人を見送った。

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