シケッツァーのダンジョン 後編
倒れた竜の絶命を確かめたゆいは、冒険者の救助に向かった。鑑定すると、魔力枯渇。命に別状は無い様だ。
回復剤を飲ませ、改めて鑑定した表示は、
種族 鬼人
性別 男性
年齢 17歳
レベル 61
スキル 怪力A、雷土魔法B、生活魔法F
となっており、一緒に転移して来たクラスメイトの、斉藤 葵だった。
意識が戻るのを待って状況を確認した。
「スーラーって初級ダンジョンに入ったんだけど、ここに飛ばされたんだ。俺達を逃がしてくれたベテラン冒険者の話しでは、ココってシケッツアーの上級ダンジョンで、今まではこんなに強いボスじゃなかったんだって。」
葵の話しを纏めると、北に向かって、イカツーベと言う集落で泊めて貰ったが、エルフ語が解る人、解らない人達で分けられ、解るグループの葵達は冒険者になるよう勧められ簡単な採取作業等を熟していた。言葉の解らないグループは、奴隷商に売られた様で、買い取る為の大金を稼ぐ為にダンジョンに潜った。
バタバタしてキチンと把握出来て居ないが、葵と行動を共にしていたのは4人、奴隷を免れたのは別に2人居て、奴隷商を襲って仲間を助けるつもりでいる。合法的な解決を目指す葵達とは同調出来なかった様だ。
奴隷落ちした中に、キチンとエルフ語を話せる人がいるが、内部から脱出する事を狙って入り込んで居るらしい。
現在、20人が奴隷商の手に落ち、奴隷登録の為に、カヒサーと言うヒューマンの都市に向っている。それを阻止しようと龍人、獣人それぞれ1人ずつが追っている。
「うーん、いくら掛かるのかな?奴隷20人って?」
全く想像も付かないが、かなりの高額になるのは間違い無いだろう。ゆいは桃とペコラに話しを振ってみたが、顔面蒼白でガチガチ震える2人は無反応だった。
因みに葵は『ボル』と名乗っていた、好きなバンドの略称との事。
2人が落ち着く迄、ミンシルに様子見を頼んで、竜を少しバラす。アイテムバッグに押し込んで、ドロップアイテムも回収。ボル達を助けた冒険者達が闘った跡に行って、死体と遺品を回収した。
「ムリムリ!冒険者なんてムリ!」
「魔物なんてムリ!」
竜のブレスで塵になった現場を目撃した桃とペコラは腰を抜かしたまま立ち上がれなかった。いつまでも最下層にいる訳にも行かないので登らなければならないが、2人は動けないので、仕方が無く交代で背負って地上を目指す事にした。
本来の帰り道だが、魔物は現れる。ボスを一矢で倒しているので、戦力的には問題無いが、人を背負ってのハンデは少し不安になる。何度かの戦闘で、ゆいが攻撃に徹し、ボルとミンシルで背負う事にして、安定的な戦力を確保した。
階層が浅くなると、桃とペコラが自力で歩ける様になり、ミンシルが護衛、ボルが戦闘に加わり、効率を上げ、なんとか地上に辿り着いた。
ギルドの出張所でボス討伐と、それぞれ別のダンジョンから飛んで来た事を報告した。
「岩みたいな竜って、コレでしょうか?」
受付嬢が図鑑の様な本を見せてボスの正体を確認、アースドラゴン若しくは、その亜種との事。報酬が変わる訳では無いが、ダンジョンの難易度を改定する為の情報との事。
冒険者の遺体を遺品も届けると、
「バッジの情報を確認しました所、遺族に当たる方がいらっしゃいませんので、これらは貴方達に所有権が有ります、ほかの戦利品と一緒に換金すると良いですよ。遺体はコチラで対応致しますね。」
ドラゴンの素材や魔石は出張所では扱えないのでロシュークに向かう事にした。




