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シケッツァーのダンジョン 前編

 昼は歩き続けて山菜やキノコを採ったり、食用に出来る魔物等を狩ったりした。夜はテント、ミンシルが遮音結界を覚え、ゆいは安眠出来る様になっていた。


 何日かに一度程のペースで、小さな集落が有った。ヒューマン、エルフ、獣人のいずれかだったり、その混成だったりした。

 魔物の肉や毛皮は割と高値で売れ、魚や塩を買ったりしながら旅を続けた。


 一ヶ月以上も歩いただろうか?ロシュークの手前、シケッツァーの集落に着いた。ココはダンジョンを管理する為に人が集まったダンジョン集落、難易度が違うダンジョンが3つあるので、初級ダンジョンで戦闘経験の乏しいミンシルのレベルアップを目指す。


 早速、目的のダンジョンに行くと、

「バッジ無しか?入るのは良いが、全て自己責任だからな。4人なら金貨4枚だ。」

冒険者登録をしてバッジがあれば、ここなら無料、高くても銀貨3枚らしい。仕方が無いので支払うと、

「最近、他のダンジョンに飛んで行ったり、飛んで来たりする事が有るんだ、ここよりラクなダンジョンは滅多に無いからな、よそに飛ばされたら、迷わず逃げるんだぞ。それからな・・・」

ぶっきらぼうだが、内容は親切なアドバイスを受けてからダンジョンに潜った。


 剣道有段者のミンシルは、あっという間にチュートリアルで、月に合わせて鍛え上げた刀を使い熟し、レベルではかなり上位の桃、ペコラを戦闘力では抜き去ってしまった。

 武器の扱いや、魔法の発動を確かめながら、ゆっくりと階層を降りて行った。


 最下層の手前、17階層に降りると、魔物の気配が一切無かった。降りる度に強い魔物が出る筈なので、慎重に進んで行く、かなり広い空間になり、周囲には隠れる所も無い。最下層への通路も無いし、いつの間にか降りてきた階段も見当たらない。

「魔物を倒さなきゃ降りられないルールの筈なのに、魔物が出なくちゃ進めないわね。休憩にしましょ。」

ゆいは結界でピクニックスペースを確保したが、次の瞬間、辺りは眩しく光り、数秒後には真っ暗になった。


「何か、雰囲気違うね。」

ミンシルが刀を抜いて構えた。

「違うダンジョンに飛ばされちゃったみたいね、上に行くルート捜しましょ!」

ゆいが『探索』で情報収集すると、

「どこかのダンジョンの最下層みたいね、出口はアッチだけど、他の冒険者パーティーがラスボスと睨み合ってるわ。えっ、コッチに逃げて来る!」

感じた魔力から、自分以外は太刀打ち出来ないと判断したゆいは、3人を結界で護り、自身は逃げて来る冒険者の救援に当たる。


 魔力を感じる方向を見渡せる大きな岩に登り、弓で待機。6周のチュートリアル期間でカンストさせた弓で、魔石鏃の矢に風の魔法を纏わせて射程距離に入るのを待った。


 逃げてきたのは冒険者らしき4人、追って来たのは岩のような竜。何本も矢が刺さっているが、致命傷にはなって居ないと言うか、全く気になっていない様子。

 ゆいの矢は、竜の額を捉え頭を吹き飛ばしたが、既に吐いたブレスを回収出来るはずも無く、4人はブレスに晒された。


 それぞれ盾や、結界で防いだが、魔力の差だろう、3人は塵になり、1人は地べたに這いつくばった。

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