チュートリアルの報告
男子の各パーティー(仮)は、冒険者登録の為、ヒューマンの街・王都を目指した。地の利が有るものは居らず何となく勢いで北の方角に歩き出した。
委員長の意見で、取り敢えず落ち着いてから行動しようと、森の奥と思われる南に向かった。
ゆいが食料になる山菜やキノコを採りながら進むと、木々の密度は高くなり、道路っぽかった所は獣道になり、少しひんやりして来た。
獣道を進むと、
「少し待っていて。」
ゆいは人差し指を口の前に立て、アイテムバッグから弓を取り出した。他のメンバーにはただの藪にしか見えて居なかったが、ゆいが矢を射ると、その方向から、太いうめき声が短く響いた。
「もう音を立てても大丈夫よ!」
藪を漕いで進むゆいについて行くと、熊の魔物が倒れていた。
サクサクと解体し、魔石、爪、牙、毛皮、肝臓の売れるものをアイテムバッグに収め、残りを結界で囲って焼き尽くした。焼け残った骨を藪に撒いて処理が完了した。
「お肉、食べられる獲物だったら良かったのにね。」
「弓も凄いけど、解体なんてどこで覚えたの?」
全員の驚きを委員長が代表した。
「チュートリアル期間にちょっと。それより、ソロソロ晩ご飯とテントを用意しなくちゃ!」
もう少し歩き、テント2張り張れる河原を見つけ早速キャンプの準備。ゆいがテントの袋を2つ出し、
「竈を用意するからテントお願いしても良い?」
「解ったニャ!」
早速袋から出すが、
「おウチに有ったヤツと違うニャ!」
組み立てられず、悪戦苦闘。委員長とミンシルが参戦するが、全く進展無し。
もうひとつは、桃とペコラがサクッと組み上げた。
「手伝うよ!」
更にもうひと張り完成させた時には、
「ご飯出来たよ!」
ゆいの調理が完了していた。
「まあ!美味しい!!」
チュートリアル中に拾ったアイテムの食料に、山菜とキノコを加えただけだったが想定外に好評だった。
「コレもチュートリアル?」
「うん。結構長い間準備してたからね。」
「ソレならね、どんな準備して来たか報告し合うといいニャ!」
と、報告会が始まった。
チュートリアル期間が一番短かったのがミューミュで、3か月。獣人の里で言葉を習ったり、狩りの練習をしていたそうだ。狩りは結構上達したが、言葉は挨拶程度をカタコトで話し、ボディランゲージで何とか生きていた程度。鑑定するとレベルは20、身体強化の魔法が使えるが魔力が弱いので効果は低そうだ。
次は、委員長とミンシルの6か月。エルフの森で魔法を習い、日常で言葉や習慣、通貨等の情報を身に付けたそうだ。エルフ語は、まだ思うような意思疎通は出来ていた無い。2人は同じ事をしていた筈だが、チュートリアル期間中に会った事は無かったそうだ。レベルは30、風魔法と生活魔法が使える筈だ。
次が桃とペコラの1年間。ヒューマンの街で剣術を習い、大蛇討伐に行ったそうだ。パーティーはゆいと同じ感じで月のポジションに本人がいたとの事、容姿は元の世界のイメージをスライドしたようで小柄で華奢で地味な感じ。ただ、メイド喫茶での女装の時のような違和感は無く、極一般的な女子高生に見える。レベルは桃が47、ペコラが45。5番目のエリアボスを倒せたがどうかの違いらしい。桃は炎、ペコラは雷魔法が使える。日常会話は問題無いそうだ。因みにこの2人もチュートリアル期間中には会っていない。
次回は、11日の更新です!
よろしくお願いします。




