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3 外出

 私とレオくんは新しいアイテムショップに興味津々で、二つ返事でオッケーした。


「私もすごく行きたいわ。でも今日はこのあと用事があるから、どうしましょう」

「それ、今日じゃないといけないんですか?」


 サーヤ先輩も新しいアイテムに関心があったのか、すごく興味をそそられていたけど、結局、真面目な先輩は先約があるからと帰ってしまった。


 そんなこんなで、私とレオくんとキィちゃんの3人でアイテムショップに向かった。

 ピタンガ商店街はロジワール魔法学校から乗り物で10分程度の場所にある。

 私たち学生は、校外での箒の使用は禁止されている。なので、外出は歩いていくか、乗り物を使わなければならない。

 歩くと言っても、魔法学校の周りは広葉樹の森で囲まれていて、森の中には魔ヘビやら魔グモがうじゃうじゃ出てくる。

 すごく強い魔獣が出てくるわけじゃないけど、気持ち悪いし、噛まれたら地味に痛い。

 だから校外に出るときは、校門前の停留所から発車する乗り物を使う。


「早く、早く! あと3分で来ちゃいますよ」


 キィちゃんに急かされて、私たちは校門まで走った。


「あ、まだ来てない! 間に合います! 走って走って」


 息を切らして停留所に滑り込む。

 停留所にはすでに2、3人の生徒が待っていた。

 最後尾に並んで息を整えていると、突然、停留所のあたりが暗くなった。大きな影が太陽の光を遮っている。


 あ、きた、と停留所にいる生徒が呟いて空を仰いだ。

 私もつられて空を見る。

 大きな生物のお腹が頭上近くに迫ってきていた。


 大きな竜のような生物は滑るように静かに、停留所の目の前に着地した。

 2本の細い足で着陸したのは、大きな二本の翼と長い首を持つ翼竜、ワイバーンだ。

 ワイバーンは細い脚を折り曲げて、地面に伏せのようなポーズで腹這いになる。

 長い二つの翼を折り曲げると、硬い鱗が生えたゴツゴツした背中が見えた。まるで小さい山のようだ。

 ワイバーンの首部分には、サングラスをかけた制服姿のお兄さんがまたがっていた。操竜士といって、ワンマンでワイバーンの運転を担当している。


「待たせたかい」


 操竜士のお兄さんはまたがっていた竜の首の部分から立ち上がり、背中を駆け下りて尻尾近くまで走っていく。

 尻尾の付け根部分に取り付けられている金属でできた梯子を掴むと、地上に向かって梯子を下ろした。


「乗りな!」お兄さんがキラリと白い歯を見せて、指でグッと合図をした。

魔ヘビは沖縄のハブみたいな感じを想像してもらえればと思います。

森の中でまれに遭遇することがあって、噛まれたら厄介です。

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