私は死ぬわけにはいきませんPart4
騎士団長になりたいとは前から言っていた。以前から渋い顔をされては中途半端に濁されていた。だが今回は違った。意を決したような顔をしている。
「その件についてはわかった。だが目指す代わりにちゃんとやれ。それで中途半端にやめたら、お前は第2王子の婚約者になるんだ。こうやって話しておく。後ほど何か連絡が来ると思うが、しっかりやれ」
「はい!!ありがとうございます!」
私は勢いよく頭を下げる。すると、お父様のため息が聞こえた。なんだろうと私は顔を上げる。
「お前は……全くもう……はぁ……」
「どうされたのですか?」
首を傾ける。そんな私を見た、お父様がもう一度深いため息をつく。いよいよ私が何かをしでかしているのだと、気づく。
「はぁ……お前はもう少し令嬢っぽくできないのか?そろそろ教師をつけたほうがいいのではないか」
呆れた様子で此方を向いてくるお父様。そんなことで悩んでいたのかと私は拍子抜けする。
まぁそろそろ10歳だから社交場に出るべき歳なのだが、こう見えても私は、あまり社交というのが得意ではない。堅苦しいのが苦手だからだ。だが、外面だけはいい女だったのだ。
「お父様、わたくしは皆様のように社交という場があまり得意ではありませんのよ」
「どうした?頭でも打ったか?」
「お父様それはレディに対してあんまりではありませんか!」
「すまない。やはりさっきのままで良い」
「ありがとうございます!」
そんなこんなで教師をつけられずにすんだ。私は教師というものがあまり好きではない。嫌な思い出が蘇るからだ。私はクズ教師としか出会っていない。だから教師というものを信じてないのだ。善良な教師さんごめんなさい。
なんやかんやで次の日。私はまたお父様に呼び出されてしまった。私、なんかしたっけ?今日は起きて朝ごはん食べて図書館にずっと籠ってただけなんだけどな。もしかしたら何もしてないからよびだされたのかもしれない。
「失礼いたします。どうされました?」
「お前に紹介したい人がいる」
え何?新しい妻?恋愛結婚的な?いやこの人に限ってそれはないか。私の母親大好きだったもんな。よくメイドたちから聞かされてたから。
そんなことを呑気に考えているとガチャっとドアが開く音がした。そこには髪の長い、男の人だった。え何?妻じゃなくて旦那?
「こいつは俺の知り合いのロンバートだ」
「よろしくお願いします。ステラ譲」
おっと私嫌な予感がしてきたな。