表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/6

私は死ぬわけにはいきません Part2


「奥様!奥様ぁぁぁぁぁ!」


 急に誰かの泣き声が耳に入ってくる。空気を吸おうとすると肺が焼けるように痛かった。思わず、号泣してしまった。数分すると慣れてきたのか幾分か息が吸いやすくなる。涙で視覚がぼやけていて何も見えない。状況把握ができずに困惑している私を置いて、端で何かを話している声が聞こえる。私は、耳を澄ませる。


「どうした?」

「旦那さま……奥さまがぁぁ、気を失ってしまって」


 低いハスキーボイスの声の人と明るい若い女の子の声が聞こえる。旦那さまと言っているのだから、この低いハスキーボイス人がこの家の主なのだろう。涙でぼやけていた視界がいきなりクリアになる。何事かと周囲を見渡すと、どうやら私は、涙を拭われたようだ。そして、目の前には金髪で40代ぐらいのイケメンが立っていた。金髪と言ってもプラチナブロンドだろうか。そして私は、髪色がストロベリーブロンドのヨシンモリに近い髪型をしたメイドさんらしき10代ぐらいの美少女に抱っこされていた。


「こいつが俺の子か?」

「はい!奥様と旦那さまのお子さまです」

「全然似てないな」


 空気が一瞬にして凍りつく感じがした。これぞ氷の王様のような。

 それにしてもこんなイケメンが私の父親か、だとしたら酷すぎないか?こいつとか似てないとか言うし。


「で?キヨ、俺の妻はどうなった?」


 ヨシンモリの女の子ではなく、年配のメイドさんに視線を向けた。キヨと呼ばれていた人はアシンメトリーで、くせ毛風セミディのような髪型をしていて、年配とは思わせない程美しい。なぜ年配だと判断したかというと優雅かつ気品があり、白髪がちょこちょこと生えているからである。第1印象はしっかりした少し厳しい人のイメージが強い。


「奥様は残念ながらお隠れになられました。」

「そうか」


 そっけない返事に、私の父親は何に対しても興味が無いのかと疑問に思う。表情が顔に出ないタイプなのか?それともただ興味が無いだけなのかわからない。そんなことを考えているとキヨが私に視線を向ける。


「名前はどうなさるつもりで?」

「そういえば名前を付けていなかったな。じゃあ適当にステラでいいだろう」


 適当って……。こんなのでいいのか?そんなに私に興味無い!?まあステラってきれいな名前そうだしいいか。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ