僕の最高の彼女はどうですか?
蒸し暑い七月。
俺は今日もいつものようにつまらない授業を聞き流している。
だいたい授業など聞かなくても中学レベルなら勉強しなくても九割は取れる。
俺の名前は山野涼太郎。
世間で言われる天才という部類の人間だ。
そんな聞く意味もない授業は勿論聞かずにいつものように好きなあの子を見る。
そう、その女子の名前は三星四瑠。
そいつはクラスでは特に目立っているわけではないがいつも優しく接してくれ誰にでも優しくする姿に俺は惹かれてしまった。
しかし、自分から話しかける勇気も出ない。
しかももうすぐ夏休みだ。
ここで親しくならなければ絶対に恋人関係になんてなれない。
一刻も早く自然に近づけるように作戦を立てなければいけない。
「山野、この問題を黒板に解きに来てくれ。」
俺はいきなり先生から当てられ驚いたが天才のこの俺が対応できないわけがない。
一切問題なく解いたがさっきどうやって一緒になるか考えていたのだが一切解決策が思いつかない。
もはや諦めかけている。
「キーンコーンカーンコーン」
いつも通り三時二十分にチャイムが鳴り今日の授業も終わる。
今日も俺は友達の石上光輝と帰る。
石上はクラスの女子からも人気で誰とでも話せる社交的な奴だ。
「夏休み、三星と神崎と三組の女子と夏祭り行くんだけど一緒に行かない。」
俺は突如として訪れたチャンスに今まで生きてて良かったと思った。
神様ありがとう。神様ありがとう。神様ありがとう。神様ありがとう。石上様ありがとう。
心の中で何度も神様に感謝し石上にはっきり言う。
「行きます。行かせて。行かせてください。どうか行かせてくださいませんか。」
「どうしたお前?」
石上が変態でも見てるかのような顔を見せてるが実際にもの凄く気持ち悪かったと思う。
「とにかく八月一日の三時俺の家に来いよ。」
「行きます。」
今回は一回しか言わなかったので流石に気持ち悪がられなかった。
「じゃ、涼太郎バイバイ。」
「バイバイ。石上ありがとな。」
「いいって、ことよ。」
俺は石上と別れ自宅に自宅に向かった。
とうとう八月一日がやって来た。
俺はまず朝起きたら歯磨きをし口臭チェックをした。
万が一口が臭いなどおきてはいけない。
次にしっかりと髪型を整え夏祭りに備えるようにした。
今の時刻は二時半。
余裕を持って俺は石上の家に行くことにした。
意外にも早く着き時計の針は二時五十分を指している。
早くついたのは仕方ないので十分間待つことにした。
時計の針が三時を指していたのでチャイムを鳴らす。
「ピンポーン」
扉がガチャリと音を立てて開く。
「行こうぜ、涼太郎。」
「おう。」
俺たちは夏祭りに行く途中コンビニに行くことにした。
コンビニに着き飲み物を選んでいるとコンビニの外から声が聞こえてきた。
「辞めてください。」
浴衣を着た女子中学生らしき人物が不良に絡まれていた。
「石上。助けたほうがいいかな。」
「怖いし辞めよう。」
「でも・・・」
「おい、ふざけんじゃねぞ。社会のごみが。」
いきなりのその声に俺たちは背筋が凍った。
恐る恐る声の主を見ると不良に絡まれていた女子高生だった。
まるで別人のようだった。
不良も突然の変貌に驚きを隠せないでいる。
「今度私の前に現れてみろ。殺すからな。」
その場の誰もが動けなくなっていた。
きっと動けなくなってた時間はほんの数秒程度だったと思う。
ただ、僕には何時間にも感じられた。
ただ、まだこれだけなら良かった。
「三星さん・・・」