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魂の闇夜 Noche oscura del alma

作者: 黒実 音子

おお、見よ、地獄の罪人共を!!

崇拝と、無知の罪で泥に顔をうずめ、

自らの外套の紐をきつく縛り、

息も出来ず、もはや何も見てはいない


おお、見よ、俺の罪が

俺の腸から這い出たカニが

盲人の血の決闘の結末だけを

捕食者の眼で讃えている


俺は名誉(オノーレ)に縋りつき、

魂の闇夜に酔い、

救いに唾を吐く、

稚拙な死んだ魚さ


■■■

ああ、それでも許されたくて光を!!

求めて、天を仰ぎ、苦痛にのた打ち回れ!!

泥も、汚濁もついたこの歪な肉体に、

結局は、いつか来る救いを求めるのだろう

■■■


おお、見よ、地獄の死者を!!

汚水の雨に打たれ、ただ這い回る男共を!!

鋭い目だけ見える女の亡者が、

雨や、霊や、過去の全てを笑っている


おお、見よ、俺の罪が!!

淀んだ泡となりホテイアオイを育てる

巨大になり過ぎたその草は、

醜悪に過食の王として聳え立つ


後悔は蛆となり、

俺の心臓を喰らい、

蠅となって飛び立ち、

子供の様に泣く


■■■

ああ、それでも許されたくて光を!!

求めて、天を仰ぎ、苦痛にのた打ち回れ!!

泥も、汚濁も、ついたこの歪な肉体を、

結局は、いつか主よ、許してくれるか?

■■■

■■■

誰しもが救われたくて神を!!

求め、歪んだ道を光探して

血にまみれ、盲となった鴉に、

いつか、ただ光だけが注ぐだろう

■■■

■■■

おお罪よ、人よ、神よ!!

才に溢れた他者よ、辛辣な師よ

この目に写る他人の全てが、

自分の魂の写し絵なのだろう

■■■

■■■

ああ、それでも許されたくて光を!!

求めて、天を仰ぎ、苦痛にのた打ち回り

泥も、汚濁も、ついたこの歪な肉体で、

結局は、永久に神を願うだろう

■■■


なら結局は、俺は、お前は、あの者は、あの死者は、

この世界を歪にも愛すのだろう・・・


愛せざるを得ないのだろう・・・

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