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1話

カーテンから漏れる朝日とセットしておいた目覚まし時計に目を覚まし、重い体を起こしてベットからでる。


俺、日比谷ひびや 慎太郎しんたろうは東京のとあるアパートの四号室で一人暮らしをしている。


部屋は高校一年生のものとは思えない程、閑散としている。まぁ、この部屋はほとんど寝る時しか使っていないため変えるつもりはない。


朝食の10秒チャージの液体ゼリーを飲んでると、いつまにか電源をつけていたテレビから抗争中の組織ギルドの情報がながれてきた。

ネクロスによる『統治宣言』から40年が経ち、いままで様々な変化があった。まず魔族や亜人種といったのが出現し始めた。

魔族というのは、ゲームや漫画によく出てくる魔人や吸血鬼。亜人種は獣人や勇者といったのがいて、ある日突然普通の人間から魔族等に変わる者や生まれたときからそうである者もいる。


そしてネクロス以外にも様々な組織が現れ、それはいつしかギルドと呼ばれるようになった。

世界中は37個の大手の組織ギルドによって制圧され、37都市によって世界は再編成された。

俺自身も、とある小規模組織に所属している。

37個の大手組織が全てではなく、それぞれの37都市には多数の中小組織が存在している。







日課のランニングを終え、学校へ登校するといつも通り机に突っ伏して寝る。


自分で言うのもなんだが、俺は学園カーストの最下位にいる。

教室の前側の方で喋っているカースト最上位の美少女、ギャル、イケメン共と教室にちらほらと見える、それぞれの集団で固まったいるカースト中位のモブ共、そしてカースト最下位のキモオタと俺によってこのクラスは成り立っている。


だが、どこの世界にも例外というものはある。

ふと、教室が静かになり皆が入り口に視線を向けている。

そして、そこに立っている彼女こそが俺が言った例外、青海あおみ 鏡花きょうかだ。


彼女は、周りの視線を気にも止めずに自分の席につくと鞄から本を取りだし読書を始めた。


肩のあたりでそろえた黒髪に、出るとこは出てしまるところはしまった体型それにまだ幼さが残るも整った顔立ちが合わさり、鏡花は文句のつけようがない美少女であると言える。


事実、入学してからまだ二週間と少ししかたってないのに、既に五人の男子から告白を受け心を砂粒サイズになるまで砕いたという話まである。(それを聞いた一部のドM男子達がファンクラブを設立したらしいが、ボッチである俺がそれを知るはずもない)


その態度をすかしてると思った一部の女子から、体操服を切られたり机の引き出しの中にゴミを入れられたりとイジメを受けてるらしいが、

ほぼ赤の他人である俺からしたら全く関係ないことなので助けようとか微塵も思わない







学校が終わり、帰路につくが家にまっすぐ帰る訳ではない。

狭い路地裏に入り階段を上がると、そこにはレトロな音楽とシックな雰囲気か漂うバーがある。

そこが俺たち『アウターラヴィッツ』の組織ギルドの本拠地である。



この店は目の前の、ウェーブががった長い茶髪と耳にピアスと紅いドレスを着た30代前後に見える女性。浅間あさま しのぶが経営している。

俺がカウンターにつくと彼女は水と一緒にファイルを差し出してきた。


「仕事よ、それも東京を統治する『ネクロス』からのね」


そう言うと、彼女は吸いかけの煙草を口につける。


「ただ処理仕切れないないのを、そこら辺の組織に適当に配ってるだけだろ。それにしても、またディノザリアか?」


「そうよ、それも屍食鬼グール種のね」


「まぁ、相手がなんだろうと関係ない。仕事なら潰すだけだ」


「詳しい資料…ってもそんな大した量じゃないけど。大体のことはそのファイルに入ってるはずよ」


それを聞くと俺はバーを出て、家に戻ることにした。






家についた俺は、まず軽くファイルに目を通し支度を初める。

深緑のローブを着て、さらにクローゼットの奥から無骨な槍を取り出す。

目を閉じ少し集中すると、俺の髪は赤く頬には赤黒い線が何本かはしっている。

魔族 ゴーレム種、それが俺の種族だ。








母親が今日は仕事から帰るのが遅いため、コンビニ弁当を抱え暗い夜道を鏡香は一人で歩いている。

今日も学校でいじめを受けたが、日に日にエスカレートしていってる気がする。髪も雑巾をしぼったバケツを被せられ、変な匂いが消えないから短く切った。

私が何をしたというのだろうか。あまり周りの気にさわらないようにとおとなしくすれば、気取ってると言われ。普通に過ごせば調子のってるといわれる。

どうすればいいのか本当にわからない。


気がつくと私はオレンジ色のライトに照らされた地下道にいた。

そして前には血生臭い匂いを漂わせる男が一人。


「あぁ………ウアァァーーー!!!」


「ひっ!?」


血走った目に裂けた口、ところどころ剥がれた皮膚、男のあまりの容貌に足がすくみ尻餅をついた。


「アァー」


口から血か涎かよく分からないものを滴ながら、男はゆっくりとこちらに近寄ってくる。

必死に立って逃げようとするが、力が入らずそれでも男から距離をとろうと後ずさる。

だがそんな僅かな抵抗は意味をなさず、すぐに壁際へと追いやられる


「私が何をしたっていうの……」


それは心からの叫びだった。


「私が何をしたっていうのよ!?ただ普通に生活してただけじゃない!それなのに、お前らは…」


溢れてくる涙と嗚咽で続きが言えず、うつむき地面をなぐりつける。

だが、最後くらい抵抗しようと、相手を睨み付ける。


すると、それは唐突にやってきた。

目の前に赤い流星のようなものが走ったかと思うと、私を殺そうとしていた男は上半身と下半身が真っ二つに別れていた。

そして流星が走った先を見るとそこには深緑のローブと無骨な槍、そして赤い髪と頬に赤黒い線を何本か引いたどこかで見たような男子がたっていた。

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