プロローグ
すいません、まだ主人公たちは登場してません。
2024年、歴史は変わった。
街中をLEDの街灯が青く照らす中、星の光が消えた真っ暗な空には
、不気味な雰囲気を漂わせる東京タワーが倒れた状態で浮かんでいた。
「愚かなる下等種族に告げる」
東京タワーの頂上に立つ白髪の男の声は不思議と東京都内によくと通った。
「自然界が弱肉強食であるように、弱き貴様らが我らの上に立ち統治することは許されざる罪である」
東京タワーの周囲をいくつかの戦闘機が取り囲む
『警告する。今すぐテロ行為を中止し投降したまえ。繰り返す、今すぐテロ行為を中止し投降したまえ、従わない場合は武力行使によって制圧する』
「巴」
男の隣から影を縫うように艶やかな長い黒髪の女が出てきた。
「蝿どもがうるさい、地獄にお連れしろ」
「了解しました」
そう言うと女の頭からは狐の耳のようなものがピョコンと生え、髪が銀色に輝きだし、臀部からは九つの尾が生える。
『なっ!?総員発射を許可する。撃てー‼』
女の変貌に驚いた自衛隊は一斉に銃を発射した。
しかし、両手に持っていた小太刀で女はすべての銃弾を切り裂いていく。
『そんな馬鹿な!?』
目の前の光景のあまりの異常ぶりに操縦者たちは目を見開く
「ッシ!」
一瞬止んだ銃声の間に女は姿を消したかと思うと、次々と戦闘機に飛び乗り切り裂いていく。
『うぁぁぁーー!』
我にかえり銃を乱射しても女には当たらない
全ての戦闘機を斬ると女は男の隣に戻ってくる。
そして空には、花火のような爆発が轟音をあげて光る
男はまったく動じることなく、声高らかにいい放った。
「よって、我ら新人類によって組織された『ネクロス』による統治を宣言する」
新たな歴史の幕開けである