なんでも屋に頼みこんででも達成するべき秘密
散々唸り通した知人は、ようやっと決心が付いたかのように僕に、
「この際だ、お前だって元々半分こっちに足をつっこんでる、後悔だってしないと言ってるしね!
いいや、教えるよ教えるさ!お前に、なんでも屋を紹介してやる!!」
と早口に宣言する。
「なんでも屋…… ?」
聞き間違いかと思い思わず問い直してしまった。
そんな職が日本にあるのかと、君はふざけているのか
というニュアンスを込めたこの一言に友人はひどく不快そうな顔をして
手元にあった口元を拭くためのナプキンにさらさらと何かを書き込み僕に投げてよこす。
「そうだとも、なんでも屋さ!オススメしないがいくといいよ。
いつもそうしてお前が無理難題を吹っ掛けるからね。
その人なら馬鹿で偏屈なお前のオネガイのヒントをくれるさ!」
いつものように喧嘩を売るような口調でまくしたてながら友人は、
席を立ちあがり上着を羽織るとずんずんと出口にむかって歩き出した。
引っかかる様な言い方に少し黙れば、ふと気付く。
「おい、君。勘定はどうするつもりなんだい」
時すでに遅し、出口で彼はひらひらと手を振り消えてしまった。
相談料ということなのだろう。
空のステーキ皿をちらりと見て、少し溜息をつく。
僕もゆっくりと立ち上がり実家の母が無理やり押し付けた紺のコートを着て、とぼとぼと会計へ向かう。
「スペシャルビーフコンボステーキ2100円ね。」
世間的に「フリーター」という身分である自分にはきつい額、
すこし頭が痛いのでこのメモは家に帰ってから見させていただく事にしようか。
なんでも屋は僕の引っ越し先の飯田橋から少し先の池袋に個人オフィスがあり、
得体のしれない職のわりに小奇麗なオフィスの中で澤田研一と名乗った爽やかな容貌の青年は、
そっと人の良さそうな笑顔を横に曲げて僕に問いかけてくる。
「それなら簡単ですよ、自分に任せてください。
ココのあたりには先日越してきたばかりなんですよね?」
確かめる事項に若干の可笑しさを感じたがそれも青年の中では重要事項なのだな。
思っていたよりも明るくフツウの人だったため、
別に変な意味はこめていないのだろうと僕なりに安心し、頷く。
「ええ、一週間ほど前に。写真の勉強をしているんです。」
「写真ですか、いいですね。詳しくはないのですけど、見るのは自分も好きですよ」
軽くその話題で談笑すると、澤田は実に手際よく資金の話や情報を聞き、
オフィスをさっとでていった。
なんだか怪しい店だが、澤田本人が信用できそうな人物なので少し安心した。
「これで一安心だな」
その時の僕には、どうして友人がああも喧嘩腰にこの店を紹介したのか分からなかったのである。
どうもです。
書き始めたのはいいけどgdgdでやになってしまう。
頑張ります。