57/67
箱の中のアリス
目に見えるもの総てが偽りのことに見えて
手に取るもの総てが空虚なものに感じて
耳に聞こえる声の総てが嘘に聞こえて
外に出ることが出来ない
この小さな空間から出て行くことが出来ない
自分が何者なのか
外にいるものはどう自分と違うのか
何も分からない
分かろうとすること自体したくない
ここに留まって時間の過ぎるのを待つ毎日
何の刺激もないこの毎日
この状態を維持すれば私は生きていける
馬鹿なこと
時間を浪費すれば死の訪れが早くなるだけなのに
自らが秘める欲望の大きさに何の関心も示さないで
あたかも聖人の様に振舞おうとする
それが正しいと勘違いしている私
そんな私が大嫌いだ




