おやつ
「おじいちゃん、ねてるの」
「そうなんだ。お疲れなのかな? 起こすのも悪いからまた起きたらでいいよ」
「うん、またおきたらね」
そう言いながら風香ちゃんはどこか心配そうに隣の部屋を見ていた。
「おねえちゃんもお昼までねてることあるよー」
ああ海くん、そんなことバラさないで。
*
風香はまだおねえさんたちをつれまわしてるんだろうか。たまに楽しそうな声は聞こえる。やっぱり年が近い子がいるとうれしいのかな。
おじいさんの部屋をノックする。
「おはよう空君。……ごめんね、まだ起き上がる元気がなくて」
「大丈夫?」
「そんなに良くはないけど、……大丈夫だよ」
おじいさんはちょっと前から元気がない。
「またお客さんが来てるのかな」
「うん。おねえさんと男の子。男の子は風香と同じぐらいだよ」
「そうか……。またあとであいさつに行くよ。だからお客さんにはあいさつも出来なくて申し訳ないと言ってもらえるかな」
「分かった。むりしなくていいよ。何かほしいものはない?」
「大丈夫だよ。ごめんね」
おじいさんは本当につらそうだ。ぼくの元気を分けてあげたい。
*
廊下に出ると風香ちゃんはまた元気に案内を再開してくれた。
道すがら風香ちゃんはこっちをちらちら見た後、こんなおねだりをしてきた。
「おやつください」
直球。
「いいよ。お兄さんと一緒に食べよう」
ちょうど一回りして最初の広間に戻ってきていた。
風香ちゃんがお兄さんの空君を呼んできてくれたが、寝起きだったのか少しボーッとした様子だった。




