お菓子会
気になる点は色々あるけど、現時点でろくな情報がない。
尻ポケットに折りたたまれた小さい資料は指を動かさず、「開こう」という意志さえあれば勝手に広がる。前回と同じどんな仕組みなのか分からないラビからもらった不思議で便利な紙。しかし書かれてる情報は少なかった。
ラビの説明も今回――いや前回もそうだけどね――ちょっとしかないので、今回の依頼の全体像自体がはっきりしない。忙しそうだったとしてももう少し教えてくれれば良かったのに。 でもどうせラビに食い下がっても「それ以上の情報は不要だ」とか、あのかわいらしいフォルムのくせに冷たいこと言ってくるはず。
お菓子を食べながら空くんと風花ちゃんに色々話を聞いて、今のこの屋敷の状況は何となくだがつかめるようにはなってきた。
お出迎えしてくれた時にカンペがあったように、主におじいちゃんがしていたけど、空くんも説明には慣れているようだった。マニュアル化は大事。
数ヶ月前から空くんと風花ちゃんとおじいちゃんの3人はこの屋敷で暮らしている。
おじいちゃんと2人は血の繋がりはなく、この屋敷で偶然知り合った。
屋敷はおじいちゃんのもので、近い内に取り壊す予定だった。
屋敷の中にいると外の世界と時間の進みが違い、恐らく外の世界では数日しか経っていない。
この屋敷に閉じ込められて外の世界に逃げられなくなったから数日しか。




