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うつし世の鬼  作者: タケハタユウ
七章 黒鬼、覚醒
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5話 檻の中の彼女

本作は、過去に同人誌として発表した作品を、Web向けに一部改稿のうえ再掲載したものです。


※本作は現代日本を舞台にしたローファンタジー/異能バトル作品です。

※章ごとに話数を分けて投稿しています。

「ん……あれ?」

 刀は暗闇の中に倒れていた。何度となく見た夢と同じ、漆黒の世界に。

「また、あの夢……?」

 起き上がった(ひょう)()に、冷たいものが手にあたった。鉄棒のざらざらした感触だ。

 鉄の(おり)の中に閉じこめられている。どこを振り向いて見ても、棒は(とう)(かん)(かく)に並び、刀を囲っていた。

「誰か! いないの!?」

 棒をつかんで揺らしてみたが、まったく動かない。手には武器もなく、抜けだすすべは(かい)()だ。

 これが夢の続きなのだとしたら、なぜ檻に入れられているのだろう。あの男は、一体どこに。

「! なに、これ……」

 檻の中に、突如として映像が映しだされた。

 そこには金の瞳をぎらつかせた自分と、蒼の光を目に宿した蓮華が(たい)()している。

「蓮華……!?」

 刀が黒い太刀をかまえ、飛びだす。対する蓮華は矢をつがえた。

 二人は戦いはじめる。たがいに一歩も引かない。

 手加減する様子は見られなかった。殺気に満ちた斬撃を(かわ)しながら、蓮華は隙を()って矢を放つ。

「あれは……あたし? それとも……黒鬼?」

 刀は(うっ)(とう)しそうに矢を弾き、助走もほどほど、十メートルもの高さに跳んだ。

 その高さから振り下ろされる太刀に、蓮華は右腕を前にかざした。

 彼女の空間を操る能力には、誰もおよばない。防御においては鉄壁と言ってもいい。

 大上段からの一撃も、堅い守りで受けとめる。刃と光の壁がぶつかり、巨大な衝撃波を起こす。

 しかし発生した衝撃波を受けても、刀は退かなかった。逆に蓮華が押されはじめる。

「まずい……!」

 あの自分は力まかせに結界を断ち切ろうとしている。このままでは、彼女が危険だ。

「だめだ、蓮華。逃げ――っ!!」

 (ほう)(こう)と共に、結界に大きなヒビが入る。

 黒の嵐が防御を食い破った瞬間、蓮華の右腕は宙に舞っていた。


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