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うつし世の鬼  作者: タケハタユウ
一章 蠢動する闇、日常の終わり
2/13

1話 金色(こんじき)の彼女

本作は、過去に同人誌として発表した作品を、Web向けに一部改稿のうえ再掲載したものです。


※本作は現代日本を舞台にしたローファンタジー/異能バトル作品です。

※章ごとに話数を分けて投稿しています。

 うららかな日の光が差しこむ午後。特に昼食後の講義は、勉強嫌いの人間にとって絶好の睡眠時間だ。

 しかしここは、医者を目指す学生が集う場所である。睡魔に負けていてはつとまらない。必死で目を開け、教授の声に耳をかたむける姿が、ちらほら見受けられる。

 その中に、一人だけ金色の長い髪の女性がまじっていた。黒髪か茶髪の学生の中、彼女だけが、金の色をまとっている。

 ()(いと)のように細く、美しい髪だ。肌も白く、目鼻立ちもしっかりしている。瞳は黒く、いわゆる金髪(へき)(がん)とは少し違う。

 彼女は自身の髪が反射してまぶしいのか、目を細めながらノートをとっている。

 昼間、ここの講義室は彼女の金の髪と同様に、光をよく通すのだ。

 光の反射は鬱陶(うっとう)しいものだが、女性は教授の言葉を書きとめ、黒板から目をはなさなかった。この日がいつもどおりであれば、よそ見をするまも惜しんでいただろう。

 しかし講義のはじまりからずっと感じる視線に、彼女はため息一つ、後ろを振り返った。

 スーツの男性が二人、講義室の入口から見ている。

 彼らは視線があうと軽く頭を下げ、女性はペンを持った左手で廊下を指した。二人の男はなにも言わず、講義室を出ていく。

(……思った以上に早かったわね)

 女性は心の中でことの性急さを(なげ)く。講義時間は、残り三十分を切っていた。


 二人の男が用意した車は、女性を乗せ、省庁が立ち並ぶ霞が関に向かっていた。

 皇居の御堀沿いを左に折れ、ガラス張りの高層ビルに入る。

 地下に設けられた駐車場は、奈落の底と見間違うばかりに暗い。

 若い女性が、屈強な男二人に連行される。はたから見れば、異様な光景にしか見えないだろう。

 だが、当の本人は落ち着いている。彼女にとって、ここに来るのははじめてではない。

 建物への入口には、〝(たい)()(そう)(ごう)(かん)()(きょく)〟と、この施設の名称がかかげられていた。

「管理官、(はす)(みね)氏をお連れいたしました」

 金色の髪の女性――蓮峰は、管理官室と書かれた部屋に通された。そこには、三人の男女が待っていた。


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