第四話:駄菓子と記憶と補修の約束
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■昭和へタイムスリップ
《時空号》が光の渦を抜け、着地したのは――
昭和40年代、夕暮れの商店街。
アーケードの下には、駄菓子屋、銭湯、レコード屋。
風に乗って、焼きそばの匂いと演歌が漂ってくる。
ヒナギクはバイクから降りて、
懐かしそうに見渡す。
「なんか……知らないはずなのに、懐かしい。
この空気、あったかいね」
カゲマルは言う。
「昭和は“記憶の町”だ。
誰かの思い出が、今も息づいてる」
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■出会い:駄菓子屋の婆ちゃん・トメ
商店街の奥にある、木造の駄菓子屋「まんまる堂」。
ヒナギクがのぞくと、奥から小柄な老婆が現れる。
名を、トメ婆ちゃん。
「おや、ポニーテールの子なんて久しぶりだよ。ラムネ飲むかい?それとも、アメちゃんかい?」
ヒナギクは笑ってうなずく。
「……なんか、ここに来たことある気がする」
トメは言う。
「記憶ってのはね、誰かの中に残ってるだけじゃない。場所にも、物にも、ちゃんと染みついてるんだよ」
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♫挿入歌:『記憶の連鎖』
(トメとヒナギクが歌う、記憶とつながりを描く昭和風のデュエット)
♫ 駄菓子の棚に 並ぶ思い出
ラムネの泡に 浮かぶ約束
誰かの声が 遠くで響く
忘れたくない ぬくもりがある
記憶は つながってる
時代を越えて 手をつなぐ
私の今も 誰かの過去も
未来に続く 物語になる
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■ヒナギクの気づき
トメが見せてくれたのは、古びたノート。
そこには、かつて通っていた子どもたちの名前と、買った駄菓子の記録が残っていた。
「この子、今はお母さんになってるよ。
この子は、遠くに行ったけどね、年賀状くれるよ」
ヒナギクはページをめくりながら言う。
「記録じゃなくて……記憶なんだね。
誰かの“赤点”も、こうやって残ってるのかも」
カゲマルはうなずく。
「歴史とは、記憶の連鎖だ。
君も、その一部なんだよ」
ヒナギクは静かに言う。
「じゃあ……あたしも、誰かの記憶に残るように、選びたい。逃げるんじゃなくて、つながるために」
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■補修進行度、更新
スマホが震える。
画面に表示されたのは――
> 【補修進行度:100%】
> 【最終補修地:××××】
> 【テーマ:選択と再生】
ヒナギクは目を丸くする。
「えっ、ついにラスト!? ××××って……どこなの?」
カゲマルは言う。
「そこは、君の選択が形になる場所だ。
補修の答えを、君自身が描くんだね」
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★次回予告★
ナレーション(カゲマル風)
「最終補修地は、××××。
選択のすべてが集まり、再生の扉が開く。
ヒナギクが出会うのは――
自分自身の“選ばなかった××”。
“赤点”とは、何を見落としていたのか?」
「『時空教師タイムライダー』
最終話――『××都市と選択と×××××××』
赤点女学生、最後の旅へ!」
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