1話 死んだ…
あー、あー、聞こえてるっ?
テステステスっマイクテスっ、
とかなんとか行ってみちゃったりして、ハハハ
よし、やめよう、現実逃避は。
俺の名前は本藤義仲、
今絶賛絶体絶命大ピンチの中にいる、ナウィスなガイさ。
え?何が起こってるんだって?…俺も聞きてぇよ。
うぉっあぶねっ!今顔面全体で強風を受けた、
…あと数秒遅かったら100%純粋日本産ひき肉が俺の顔の上に鎮座してたぜ……
帰りてぇ…
目の前のなんかトゲトゲしたやつがついたでっけぇハンマーを持った、これまたでっかい全身鎧マッチョを見て泣きそうになる。
あーなんでこうなったんだろな…
異世界転生ってもっと楽しいもんじゃないのかよ……
時は令和、俺は今日も今日とて学校をサボり、家でゲームをしていた。まぁ引きこもりってやつだ。
罪悪感はある、だがどうしようもないんだ、
外に出て、おつかいをしたり、ランニングをしてみたり、
そういったことはしているが、学校には行けなかった。
どうしても、学校のやつらと会いたくないのだ。
ゆえに、おつかいは家から学校への方向とは逆の、
遠いスーパーに行っているし、ランニングも、
クラスメイトとばったり会わないように人の少ない道を
選んでいた。
そういったところが不味かったんだろうか、
俺は誰にも気づかれずに死んだ。ランニングの途中、
でかい音が聞こえたと思ったら、急に体を熱が支配した。
今思い出しても身震いする、痛みではない、熱だ。
腹のとこは熱いと感じるのに、他が異様に冷たい。
俺の頭の中の、もう1人の冷静な俺がそう判断するが、
そんな冷静な俺もすぐ熱に飲み込まれてしまった。
熱い、熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱
………
声は出てたか分からなかったけど、喉に痛みを感じたので、叫んでたんだと思う。でも、誰も来なかった。
「大丈夫ですか!?」と声をかけられることも、その場から担架で運ばれることも、誰かに最後を看取ってもらうこともなく、俺は独りで死んだ。
だから嬉しかった、気づいたら真っ白な空間にいて、
俺と同じくらいの背をした少女に
「ご臨終様です、ホンドウヨシナガさん」
って言ってもらえたのが。 でも…
「でっでっw電柱思いっきりぶっ刺さってましたけど、
大丈夫ですかーwwいや、大丈夫じゃなかったから
ここ来てるんですよねーぇwwwサーセンっw
でも電柱ってww電柱ってwwwwwwwwwwwwww」
思い返してみればこの地点から俺の異世界転生って
終わってたんだなぁ…
初投稿です、多分黒歴史とかになって後悔するやつです。