2/4
第二章:異世界のものづくり事情
とりあえず、現場を見て回ることにした。どうやらここは王国の技術研究所が運営する工場で、魔道具や武具の製造を行っているらしい。しかし、どこもかしこも効率が悪い。
「なんで手作業でやってるんだ? これ、治具を使えばもっと精度上がるだろ」
「じぐ……? なんじゃそりゃ?」
「はあ!? 冶具を知らないのか!?」
どうやら、この世界では職人の技術がすべてで、作業効率を上げるためのツールという概念がほとんどないらしい。俺は即座に図面を引き、冶具を作らせた。
「お、おお!? 寸法が狂わん……だと!?」
「冶具を作れば精度が安定して、熟練職人でなくても高品質なものが作れるんだよ」
工場の職人たちは目を輝かせた。
「これなら、一日に作れる武器の数が倍になるぞ!」
こうして、俺の異世界工場改革が始まった。