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6話 初めてのギルド体験

「あれが今回討伐をするスライム?」

「ああ、物凄く弱いから、リリーもダガーナイフを投げて攻撃をしても大丈夫だよ」


私達はあるきっかけでギルドの依頼を受けています。

それは本当に些細なきっかけでした、およそ数時間前の話をしましょう。

いつも通り仲良くお出掛けをしている時でした。


「スーア、次は何処に行く?」

「・・・・・・」

「スーア?」


隣を見るとさっきまで一緒にいたのにスーアの姿がなかった。

後ろを振り向くと、スーアが何かの建物をじっと見ていました。


「何を見ているの?」


顔を覗いてやっと気付いてくれた。


「ん?ああ、すまない。こんな所にギルドがあったから気になってな」

「ギルド?」


スーアの視線の先にある建物を見てみると、

看板には剣と盾を目印にしたマークが描かれており、

いかにも戦士が集まりそうな建物です。

スーアがその建物について説明してくれた。


この建物はギルド会場といい、色んな依頼を自分で選んで受けれる所らしいです。

例えばモンスターの討伐、薬草探しそして達成出来ると報酬が貰えるみたいです。


ちょっと気になりますね、薬草探しなら私でも出来そう。


「ねぇースーア、ギルド会場で依頼を受けてみましょう!」

「いいのかい?」

「うん!凄く気になるの!でも、私でも入れるのかな?」

「戦士じゃなくても大丈夫だよ、ただし危険な依頼は受けれないけどね」

「入れるなら入ろうー!」

「凄いやる気だね、リリー」


私はスーアの手を引っ張りながら入りました。

周りを見渡すと、彼方此方に武器を持っている人達がいました。

やっぱり男性の方が多いですね。


テーブルも多数あって、宴会を楽しんでいる人もいます。

周りも観ているとスーアに掲示板に依頼が貼ってあるので、その場所までついて行きました。


「んー、リリーがいるから安全な依頼じゃないと・・・あっ、これなら!」


手に取った依頼の紙を見ると、スライムの討伐と書いていました。


「スライム?」


スーアが簡単に説明をしてくれました。

スライムとはゼリー状のモンスターで、触るとドロッとして気持ち悪いみたい。

ですが最弱モンスターだから子供でも倒せるみたいです。


「リリーはこの依頼で平気?」

「うん、それなら安心かな」

「じゃあ、これにするね」

「はーい!!」


スーアが依頼書を剥がし、申し込みをする為に受付の場所に行きました。

私は暇を持て余していると、後ろからいかにも悪党な人達に声を掛けられた。


「お嬢ちゃん、可愛いなー。こんな所で何しているんだ?」

「ここよりも楽しい場所を知っているぜ?一緒に来ないかい?」


こういう男性にははっきり断らないと駄目ですね。

私は強気で断りましたが、男性は私の肩を触ってきました。


「いやっ!触らないでよ!!」


言い合いをして騒ぎになり、周りは「何だ?トラブルか?」「おいおい、誰か辞めさせろよ」

と他人事で見ているだけでした。


そんな時に怒鳴っている声が聞こえてきました。


「お前ら!俺の仲間に何をしてるんだ!」


ナンパしてきた二人組はスーアに視線を向け、標的を変えていました。


「ギルドでデートかー?ふざけやがって!」

「気に食わないやつだなー、お前。ちょっとツラかせや」


そう言って建物の外にでて、喧嘩になってしまいました。

大丈夫かな?心配になった私は外に出て見守ると、

スーアが殴った時に相手が凄い勢いで吹っ飛んでました。


もう一人が仇を取る為に立ち向かってやり返そうとしていましたが、

すんなりと身体を右へ避け、今度は背負投げをしました。


「くっそ!舐めやがって!」

「俺達を怒らせたらどーなるか教えてやるよ!」


相手は腰に付けていた斧を取り出してスーアに襲いかかりますが、

スーアは武器をとらずに2人の攻撃をかわした後に1人の腕を掴み、纏めて投げ飛ばしました。


スーアが自分の武器を手に取って相手に向けて警告をしました。


「これ以上やると俺も本気でやるぞ」

「くそ!!!!」

「強すぎるだろう!逃げろ!!!」


戦意喪失した相手は物凄い勢いでギルド会場から去って行きました。

スーアって本当に強いですよね。かっこいい。


ちょっとだけトラブルがあったものの、

無事に依頼を受けてスライム討伐をする為に出現地に向かいました。



そう、こういう流れで私はスライムを討伐しています。


「くらえー!!」


投げつけたダガーナイフで一撃で倒せました。


『おー、さすがリリー!俺も負けないよ!!」


スーアは剣を振り回して、スライムを真っ二つにしていた。


「ね、弱いから大丈夫だろ?」

「うんっ、これなら私でも倒せるね!」


一撃で倒せるので安心して討伐が出来ます。二人で合わせて20体は倒したでしょう。


「ふー、これぐらい倒せばいいかな?」

「そろそろ帰りましょうか」


その時でした。私の足元にスライムの液体があるの知らなくて滑って転んでしまいました。


「きゃあ!!」


うつ伏せになって転んでしまったので顔も髪も衣服も、スライムの液体でベトベトになってしまいました。


「リリー!大丈夫かい!?」

「あの・・・泣いていいかな・・・」


本気で泣きそうになってしまいました。

服を着替えてからギルド会場に戻った私達は、

ギルド員の討伐の確認が済んだ所で報酬が出ました。


「銅貨40枚になります」


これはなかなかのお小遣い稼ぎになりますね。


「ねぇースーア、今日の夜は少し贅沢しない?」

「これだけあるなら少し贅沢するか!」


その夜、私達はレストランで高級なステーキを頼んだせいで、

稼いだお金は全部使い切ってしまいました。

明日もギルドに行って、お小遣いを稼ぐのもいいかもしれません。


宿屋に戻ったら相談してみました。


「ねぇー明日もギルド会場に行かない?」

「あんな事があったのに?」

「んー・・・まぁ、なんだかんだで楽しかったから、もう一回行きたいの!ダメかな?」

「リリーが行きたいなら良いよ」

「やったー!ありがとうー!」


今日は早めに寝て、明日に備えましょう。



翌朝になり、軽食を食べてからギルド会場に向かい、スライムの討伐を受けました。


「昨日は良くもやってくれたわねー!!!!」

「あー・・・やっぱり怒っているな・・・」

「ふー、スッキリしたわ!」


八つ当たりして満足しました。

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