5話 熱帯の町フリート
今私達は『熱帯の町フリート』にいます。
どうしてこんなに熱いんでしょう?歩いているだけで汗が出ます。
この町に来てから薄着に着替えていますが、それでも暑いです。
それに、この町の男性の方はほとんど上半身裸でマッチョなので余計に暑苦しいです。
また喉が渇いてきました。
喫茶店があったので入ってアイスカフェでも飲みましょう。
ちゃんと水分補給をしなければ倒れそうです。
店内に入ると広々とした喫茶店で、丸くて白いテーブルが多数あり、
壁にはお洒落な額が飾ってある綺麗なお店です。
しかし、今は暑さで参ってますのでそんなことはどうでもいいのです。
とにかくアイスカフェを飲んで涼しくなりたい。
少し待つと、注文したのが届きました。
すこし行儀は良くないですが、ストローを取ってコップに口をつけ飲みました。
「ふー、生き返るー」
「だな、しかしこれを飲み終わるとまた熱くなりそう」
「言わないでよー」
そんな会話を2人でしていたら、 褐色肌の男性に声を掛けられました。
店内なのに上半身裸でしかもマッチョです。
この町にはこんな人しかいないんでしょうか?
「ヘイッ!随分と肌が白い2人組みだね、海で泳いで日焼けした方がいいゼ!』
余計なお世話・・・ん?気になる言葉がありました。
「海がこの近くにあるんですか?」
男性は不思議そうに見ていて首を傾げていました。
「知らないのかい?もしかしたら観光客カナ?結構に近くにあるヨ!」
「海がある場所教えてください!!」
海で泳げばこの暑さをなんとか防げそうです。
男性の方に海の場所を教えて貰い、泳ぐためにも水着を買わないと行けないので、
水着が売っている場所も教えて貰いました、本当にありがたいです。
アイスカフェを飲み終え、早速そのお店に行きました。
店内には沢山の水着が置いてあり、可愛いものや大人っぽいのもあります。
「あ、これいいかも」
私はピンクのフリルの水着を手に取り、レジでお会計を済ませました。
スーアは決まったのかな?聞いてみよう。
「スーア、どの水着買うか決まったー?」
「おう!俺はこれにしたぜ」
よくみると、青色の水着のズボンを買ってもう履いてました。
花火柄で凄い目立ちます。でも似合ってるかも。
私もスーアの真似をして着替え室で水着になろうかな?着替えましょう。
カーテンを開けて似合ってるかどうかを聞くと、
少しだけ照れていたので可愛かったです。
さて、それじゃあ海に向かいましょうか。
外は暑いですが、海のことを考えていたら涼しく感じてきました、私って単純だわ。
そして、ようやく着いたのです。
「「海だあぁぁぁぁ!!!!!」」
海辺には沢山の人がいて、ビーチパラソルで休んでいる人や海で泳いでいる人。
筋トレをしている男性の集団もいます。
あー、なるほど、こういうことをしているからみんな筋肉が凄いのか・・・。
みんなとても楽しそうです。
泳いでいる人たちを見ると早く海に入りたくなったので飛び込みました。
「んー!冷たくて気持ちがいいー!」
「リリー、こっち向いて」
「ん?」
振り向くと水を思いっきり掛けられました、顔面にです。
「わぷっ!?やったなー、お返しだよ!」
「おっ、やるなー、こっちも本気でやるぞ!」
大人が大はしゃぎで水の掛け合いをしました。
こういうのもたまにはいいかも?
その後は泳いだり、海の岩場に行き蟹を探したり、
屋台で氷水の中に入ってキンキンに冷えたジュースを飲んで海を堪能しました。熱帯の町フリートは最高に楽しい所です。
「こんなに、はしゃいだのは久しぶりかも」
「俺もだ」
帰り際になると、二人とも日焼けをしてしまい、
海辺のシャワーで体を洗う時はとても痛かったです。
遊び疲れた私達は宿屋に戻り、一階の飲食店で夜ご飯を食べ終え、
すぐにベッドの上に倒れこみました。
今日は少しはしゃぎすぎたかしら?ちょっと早いけど寝ましょう。
翌日、早朝に起きて涼しい間に旅をすることにしました。
スーアは眠たそうですが、頑張って起きさせました。
海で遊んだのは楽しかったけど、今度は涼しい町へ行きたいですね。