4話 スーアの日課
スーアの日課は毎日剣術の練習をすること、ずっと見ていても飽きません。
なんてったってかっこいいからです。
「はぁぁぁ!とお!!ラスト!!!」
最後に渾身の突きを放ち、風圧で草や花が強く揺れました。
「ふぅ・・・こんなもんかな」
「スーアお疲れ様、はい、タオルと水よ」
私はいつもタオルと水を用意してあげています。
水分補給と汗を拭き終わると、スーアに剣術見ていて飽きないかって言われたけど、
かっこいいからずっと観れると褒めたらスーアが少し照れてました。
「それじゃあ、そろそろ町に戻ろうか」
「うん!」
照れてるのを誤魔化すために急いで町に戻ろうとしたのが面白くて可愛かったです。
さて、泊まっている宿屋に戻りましょうか。
私達は来た道を戻って宿屋に向かおうとしましたが、
途中で見覚えがない建物や道を歩いている事に気がつきました。
「どこだ?ここ・・・」
「迷ったね・・・」
そう、迷子です。
焦りましたがお店の人に聞けば分かると思うのでどこかに入いることにしました。
見渡すと武器屋があったのでそちらに入りました。
ゴツい店主がいると思いきや、女性がカウンターに居ました。
髪は燃えるような赤色で、肩につかない程度の長さの美人さんでした。
「おっ、可愛いお客さんだね、何を探しているんだい?」
「お客じゃなくてすいません、実は道に迷ってしまいまして・・・」
女性の方は嫌な顔をせずにとても優しくて、手書きの地図を書いてくれました。
優しすぎて申し訳ないと思っていると、
カウンターのガラスケースに入ってる小さなナイフが気になりました。
料理用ナイフと思って店員さんに聴いたら凄い笑われました。
「それはダガーナイフ、護身用武器さ。あんたみたいに可愛い子は持っておいても損はないわよ」
「護身用武器なんですね。ちょっと欲しいかも・・・」
旅をしていると危険なこともあるので、持ってても損はしないですよね。
スーアもオススメしてくれたし、15cmくらいのダガーナイフなので旅の邪魔にならないと思って購入することにしました。
「買ってくれてありがとう。これサービスね」
店員さんがしゃがむと私のスカートを少したくしあげ、太ももに何かを巻き付けました。
どうやらガーダーリングというものらしく、
ダガーナイフを仕込ませる事ができるので便利みたいです。
「これでナンパしてくる男がいたら、あれを切ってあげな」と言われました。どこを?
武器屋を出た私達は丁寧に書いてくれた地図を見ながら町を歩き、宿屋を見つけることが出来ました。
早速泊まる部屋に入って置いてあった鏡の前に立ち、ダガーナイフを取り出し見惚れました。
「これが私の初めての武器か・・・ふふふ」
ちょっと危ない女になってるかも?私?
初めての武器が嬉しくて、つい興奮してしまいました。