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3話 青の戦士

この町は『ウィロード』と言い、特に変わった建物や珍しい物があるわけではありませんが、

私はいつも以上に辺りをキョロキョロとして歩いていました。


「何でこんなに武器や鎧を装備した人が多いんだろう?」


そうです、辺りを見渡せば鎧を纏い、

剣や斧や大きな盾などを持っている戦士が沢山います。


んー気になります。


しかし特に用はないので、次の町に向かうために門から出ようとした時でした。


「おい、そこの君」


門番の人に呼び止められました。

この人も当然鎧を身に纏い、大きな斧を背負っていました。

何だが怖いですね。


「はい?何でしょうか』

「君は見た所戦士とかじゃないよね?この先はモンスターが出るから護衛をして貰わないと行けないぞ」


え?そうなの?私は門番の人に聞き返すと、

旅人はそこら辺にいる戦士に護衛して貰いなさいも言われました。

なるほど、だから護衛の依頼を受けるためにあんなに居たんですね。

早速誰かにお願いをしてみましょう。


しかし誰に護衛を頼みましょうか?


悩んでいると、青い鎧を纏って青髪の背丈が大きくて目立つ男性が歩いてました。

あの人も戦士かな?訪ねて見ましょう。


「あの、突然すいません、戦士の方ですか?」

「そうだが、どうしたんだ?」

「通りたい道があるのですが、警備の人に護衛をして貰わないとダメと言われて探しているのですが、護衛をお願いできませんか?」


青髪の男性は少し考え込み悩んでいました。


「すまないな、俺は戦士だけどこの町の住人ではない、冒険者なんだ。護衛は引き受けていない」

「そうだったんですか、すいません。失礼しました」


諦めて他の方に頼もうとした時に、

先ほど話していた男性が私の肩に手を置き、呼び止められました。


「待て。この辺の弱そうな戦士に任せれられん。俺が護衛をしよう」

「えっ、いいのですか?」

「任せろ。しかし明日でいいかな、今日は泊まる宿を予約してしまって」

「はい、大丈夫です、ありがとうごさいます!あっ、依頼料はいくら必要ですか?」

「お金はいらない。善意だ。それに俺もあの道を通る予定だったからな」


凄く優しい方です、かっこいいかも。


「そうだ、名前を聞かせて貰っていいかな?」

「私の名前をリリーです、よろしくお願いします」

「俺はスーアだ。よろしくな」


待ち合わせの場所と時間を決め今日はその場で解散しました。

男性が泊まる宿屋の前にと、集合は朝の10時からなので遅れないように今日は早めに寝ましょうか。


それにしても、護衛が見つかって本当に良かったです、

相当腕に自信もありそうなので心配もありません。

しかし、お金はいらないと言ってましたが何かお礼はしたいので、

いい物何かないかな?色々探して見ますか・・・。


数件のお店に入り、良いものがないか探しました。

冒険者だから荷物にならない物が良いよね?

そして、ようやく良さそうな物を発見しました。


「これなら、喜んでくれるかも!」



翌日になり、待ち合わせの宿屋に行きました。


「おはようございます、今日はお願いします!」

「おはよう、任せておけ!」

「あの、これはお礼です、良ければ受け取ってください!」


手に持っていた紙袋を渡しました。中身は昨日買った青いハンカチです。


好きかは分かりませんが、邪魔にならないからいいかなと思いましたがどうでしょうか。

スーアさんが紙袋を開けると、少しだけ驚いてる表情をしてました。


「どうして青色が好きってわかった?」

「鎧と髪が青色だから好きなのかなと」


スーアさんはくすくすと笑っていました。


「君は面白い子だね、ありがとう」


受け取ってくれたハンカチを大事そうにポケットに入れてくれました。

スーアさんが喜んでくれて良かったです。


そして、私達はモンスターが生息しているという道を歩きました。

やっぱり護衛がいると安心します。


それに今まで1人で旅をしてたのでなんだか嬉しいです。

歩きながら雑談をして私の故郷や旅の話、スーアさんの冒険の話で共感できる物があり、意気投合してとても盛り上がりました。


しかも年齢を聞いたら私と同い年なのでさらに親近感が湧きました。

その時、スーアさんが何かを警戒し剣を構えました。


「離れれるな、ウルフだ」


三匹のウルフが私達に向かって獲物を狩る目をして走ってきたので、とても怖かったです。

次々と襲ってきたウルフに対してスーアさんは剣を降り、攻撃をして私を守ってくれました。

その戦い方は凄く男らしくカッコよかったです。


ウルフが次々と殺られ怪我なく討伐すると、スーアさんが私に優しく声を掛けてくれました。


「怖かっただろ、怪我はないかい?」

「はい、大丈夫です」


やばい、惚れそうです。


この辺りは本当にモンスターがいるのでこれは護衛をして貰わないと危険ですね。

私は怖くなってしまい、無意識にスーアさんの腕を掴んでいました。


怯えている私にスーアさんは優しく囁いてくれます。


「大丈夫だよ、俺が守るから」


至近距離で言われたのでなんだかドキドキしました。


その後は運良くモンスターに合わずに、無事に目的地に着くことができました。


「ありがとうございました!」

「いいよ、俺もこの町に用事があってな」

「そういえば、スーアさんの用事って何ですか?」


私が尋ねると、目を輝かせながら教えてくれました。

この町には温泉というものがあり、疲れを癒すことが出来る場所があると。

温泉?聴いたことないですね?気になります。


私も温泉に行ってみたいというと、同行することになりました。

どんな場所なんだろうと思いながら付いて行くと、衝撃な所で驚いたのです。


なんと裸になり、みんなで一つのお湯に浸かるのです。私の国にはそんな文化がなくてとても戸惑いましたが、どうやら男性と女性は別々で入るみたいです。ほっとしました。


とはいえ知らない女性に裸を見られるのも恥ずかしいので責めてタオルを巻きたいのですが、どうやら禁止みたいです。


初めは恥ずかしかったのですが、いざ温泉に入ってみると凄く気持ちが良いのです。

疲れが一気に吹き飛びそうです。こんなに素晴らしいものがあるなんて感動しました。


しばらく浸かっていますと、顔が真っ赤になって来た。のぼせそうです。

もう少し浸かりたかったのですがでましょう。


着替えを済まして休憩所にいるとスーアさんが戻って来ました。


「初めての温泉はどうだった?」

「好きになりました!連れて行ってくれてありがとう!」

「温泉が好きになったかい?それは良かった」


それからも自然と一緒に行動を共にしました。

お食事をしたり、町を観光したり、宿屋も一緒にしました。部屋は別々ですが。



翌朝になり、私が先に目が覚めたのでスーアさんがいる部屋をノックすると、まだ寝ているのか返事がありませんでした。


仕方がなく私一人で、近くに美味しそうなお店があるか探すことにしました。


「あっ、ここが美味しそうですね」


女性に大人気のパンケーキと看板に大きく書かれるので、良さそうです。

宿屋に戻ってスーアさんと相談しよう。

再びスーアさんの部屋をノックするも出てこなかったので、部屋に入る事にしました。


「スーアさん、もう、10時ですよ!!」


眠たそうに起きました。


「おはよー、リリー、早起きだね」

「おはようございます!さっき美味しそうなお店が近くにありましたので、食べに行きませんか!?」

「おっ、それは気になるな、行こうか」


スーアさんがベットから起き上がると、ほとんど裸のパンツ一枚で起き上がって来ました。


「きゃあああ!!!」

「すまん!いつも服を着ないで寝てるんだ!」


とても焦りました。


着替え終えると、荷物の準備し宿を出て先ほどのお店に案内して入りました。


その時はワクワクしながら入りましたが寂しさもあります。

なぜなら、この楽しい時間はもうすぐ終わってしまうでしょう。

きっとパンケーキを食べ終わったら、もうすぐお別れをしないといけません。

お互いの目的や行きたい場所も違うからです。


スーアさんとまだ一緒にいたいのですが・・・

しかし、それは仕方がないこと。


看板に書いてあったパンケーキが届き、

食べながらそのことを考えてしまうと涙が溢れてしまいました。

それに気が付いたスーアさんに心配されました。


「どうしたんだ!?体調が悪いのか?」

「スーアさん・・・」


私の思ってることを正直に話したらなんと、スーアさんと同じ気持ちだったと言いました。


「良かったら、しばらく一緒に旅をしないかい?旅人と冒険者は少し目的が違うけど、もう少しだけリリーと一緒に居たい」


告白をされるくらい恥ずかしかったですが、とても嬉しかったです。


「改めて宜しくお願いします、スーアさん!」

「そんなに畏まらないで、それにスーアで良いよ」

「よろしくね、スーア!」

「ああ、こちらこそよろしくな」


旅をして初めての仲間が出来ました。

次回は土曜日に投稿します!

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