表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
明け星学園  作者: 秋野凛花
1-3「事件調査前日譚」
25/534

異能妨害室にて

 連れて行かれたのは、とても狭い部屋だった。真ん中には机、そして4つの高そうなシングルソファ。そこに私、言葉ちゃん、ココさん、持木くん……計4人。入るのがギリギリ、という感じだ。いや、頑張ればもう数人は入れそうだけど、入っても座る場所が無い。そのくらい狭い部屋だった。


「……何でわざわざこんな部屋なんですか……もっと広いところでも……」

「僕だってもっと広いとこで話したいけどさぁ、一応、()()()1()()()()んだよ?」

「……?」


 一体何を言っているのか、ここより教室の方が断然広い。その感想はココさんや持木くんも同じなようだった。……しかし言葉ちゃんはやはり気にせず。まあまあ座ってよ、と、真っ先にシングルソファのうちの1つに座って、私たちに勧める。

 仕方ないから、私が言葉ちゃんの隣。机を挟んで、ココさんと持木くんが並んで座った。それを見て言葉ちゃんは満足そうに頷くと、意気揚々と口を開いた。


「まず、ここは特別な部屋です。特徴として……ここは、()()()()()()使()()()()()()()()()()()

「異能力が……使えない?」


 言葉ちゃん以外の誰もが思ったことを、ココさんが代わりに言ってくれる。そう!! と、言葉ちゃんはドヤ顔をした。何故か言葉ちゃんがドヤ顔をした。恐らく絶対、言葉ちゃんの功績ではないだろうに。


「特別な条件下でなら、異能力を打ち消すことが出来る異能力者がいるんだ。その人の徹底的な研修の元、出来たのがこの部屋。……例えば、盗聴が出来る異能力者が居ようと、異能力で脅すような人が居ようと、ここでは皆等しく無能力者!! 大事な話をするときとかしか入れない、すご~い部屋なんだよ!! 味わっといて!!」

「何を味わうんですか……」


 反射的にツッコミを入れてしまった。さっすがぁ、と言葉ちゃんに笑われる。流石って、何が。


「というわけで、さっきの話の続きはここでしようか。……帆紫くん、君がさっきしようとしていた話は、まだ正確性が取れていない話だからね。他の生徒たちの不安を煽らないためにも……その話を外で無闇矢鱈むやみやたらとするのは、なるべく控えてほしいな」

「は、はいっ。……あれ、これ、もしかして俺、怒られてる?」

「何であたしに聞くのよ……怒られてると思うけど」

「マジかよ、ごめんなさい!!」


 持木くんは勢い良く頭を下げ、その拍子に机にぶつけてしまっていた。それを見て、言葉ちゃんもココさんも大爆笑。……私だけが白けた目をする。


「あっはっは!! ひーーーーっ……ふふ、そんなに気にしなくていいよぉ。これから気を付けてくれればいいからさ」

「う、うっす……」

「というか、僕に喧嘩を売った後もそんなに気にしてる様子は無かったのに、こっちは気にするんだねぇ」

「だ、だって、会長、普段から喧嘩売られてるから……」

「失敬な。いや、そうだけど」

「……話がそれてます」


 なかなか話が進まないことにだんだんイライラしてきて、私はそう言う。それもそうだね、と言って、言葉ちゃんは長い脚を美しく組んだ。


「じゃ、僕が帆紫くんの話を補う感じで話そうか。……というわけで帆紫くん、どーぞ」

「あ、ど、どうも……」


 言葉ちゃんの促しで、持木くんは何故か、んんっ、と喉の調子を整えてからこの場の人間をぐるりと見回した。


「……それで昨日、俺が起こしてしまった事件……俺自身には記憶が曖昧なんだ。どうしてそんなことをしたのか……全くもって覚えていない」

「……はあ」

「まあ……伊勢美と会長にボッコボコにされた後……俺は気絶して、そのまま病院に運ばれたわけだが……その後俺に告げられた事実は……『俺が誰かに操られた可能性がある』、ということだった」

「操られた?」


 この場を代表して、ココさんがそんな風に聞き返す。どうやらこの一連の話は、ココさんも初めて聞くものらしい。……とまあ、それは置いておいて。

 ココさんの聞き返しに、持木くんは頷いた。


「ああ、俺に詳しいことはよくわからないが……どうやら俺には、異能力を使用された痕跡が残っていたらしい」

「……えーっと、異能力の痕跡を辿れる異能力者とかがいるからね。その人たちに調査してもらった結果。ネットの検索履歴みたいにわかるから、対異能力者特別警察とかにも重宝されてるよ。……帆紫くん、このくらいジョーシキだからね?」

「うっ、すみません……。……ええっと、そういうわけで~……俺は誰かに操られていたわけだ!!!!」


 もう分かりきったことを、気まずそうな顔でもう一度宣言する持木くん。……まあその常識、私も知らないので、説明を受けられて助かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ