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明け星学園  作者: 秋野凛花
間章1
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Before the case 1

「失礼します!!」


 意気揚々とした少女の声に、男は振り返る。そこには、派手な格好をした……それより目立つ、満面の笑みを浮かべた、とにかく存在感しかない少女が立っていた。

 彼女の名は小鳥遊たかなし言葉ことは。……4月から正式に新生徒会長になることが決まった少女だ。

 その傍に、いつも彼女に付いているはずの前生徒会長の姿はない。今回は1人で来たようである。


「どうしたんだい? 小鳥遊くん」

「正式に次期生徒会長に任命されたから、挨拶に来ました~!! よろしくねっ!!」


 珍しく「失礼します」なんて言って入室して来たというのに、その敬語も一瞬で崩れてしまっていた。そのことに、思わず男は苦笑いを浮かべる。だが、この一番偉い立場である自分にも敬語を使わないところが、何とも彼女らしい。元から敬語を使わないことにとやかく言うつもりもないため、その方がしっくり来た。

 男は机の上で手を組む。言葉は笑う。



「一緒にこの学園を盛り上げていこうじゃないか、小鳥遊くん」

「うんっ!! まっかせてよ、りじちょー!!」



 男──百目鬼ももめきれいの後ろで、校訓の記されたタペストリーが揺れる。



Ability(異能力)」。

Ambitious(野心的に)」。

Apex(頂点を)」。



 異能力で、異能力者中心の世界を作る、という野心を持つ百目鬼と。

 異能力の強さを自覚し、高め合いつつも、楽しい世界を作る、という野心を持つ言葉が。



 こうして、対峙した。



 百目鬼は、未来を見る。もし今自分が行動を起こしたらどうなるか。──結果は、悲惨なくらいの失敗。まだ行動に移すべきではない。そう判断する。もし行動に移すとなれば、それは……。

 ……自分と利害が一致し、協力してくれるような、そして小鳥遊言葉に匹敵するような、そんな異能力者が現れれば……。

 望みすぎな話だ。そう易々と、そんな都合のいい異能力者が現れるわけがない。


 だが、現れたその時、きっと今見える未来が姿を変える。未来は、1秒ずつ変化をしているのだから。

 そんなことを考えながら、百目鬼は笑った。







 伊勢美いせみ灯子とうこが急遽だが、そちらの学校に転入出来ないか。そんな電話が来る、1週間前のことである。

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