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6/6

いつからここがご都合主義が存在しない世界だと錯覚していた?

季節が一つか二つ巡る頃に更新される物語。

と言ったら聞こえは良いけど実際怠慢ですね?

ふしゅうと荒く息を立てて突進しようとする猪とそれに瀕死になった曽二に代わり相対する受付でぶつかった少女。

曽二は未だに何が起きたのが分からない様子である。


『あ...ありのまま、今起こったことを話すぜ!「おれは猪と戦って倒されると思っていたら生きていた」な...()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()...』

『助けに来てくれたのよ!ほら逃げて!』

『か、体が痛くて...』


立とうにも立てない。ゲームでは瀕死でも元気に走り回れていたはず、とうろたえる曽二。

そんな彼に少女は視線をちらりと向けた。


「...大丈夫、すぐ終わらせるから。」


少女がそう呟いて剣を振るうと風の刃が巻き起こり猪を刻む。

猪も負けじと突進するがふわりと跳び越えながら斬りつけた。

なんと軽い身のこなしだろうか。猪がどれだけ突進しても彼女には当たらない。

彼女はひらりひらりと躱して斬る。

蝶のように舞い蜂のように刺すとはまさにこのことである。


そして高く跳んだ少女が放ったひときわ大きな風の刃は猪に致命傷を与えたのだった。


────────────────────


猪の角や皮やらを剝ぎ取った少女は曽二に目を向けると手を差し伸べた。


(この子...かわいい。)


蒼く澄んだ瞳、小首を傾げる仕草、日に焼けていない真っ白な肌。

ご都合主義が存在しないわけではなかったのだ。

そう思いながらその手を取って立ち上がると体がふわりと浮く感覚がした。

下を見れば小さな竜巻のようなものが体を包んでいた。

どうやらギルドまで運んでくれるらしい。


「...ありがとう、ございます。」

「いいよ、大丈夫。」


そうとだけ言った彼女は曽二を運び、すっかり暮れた陽を背にギルドに向かった。


運ばれている間、曽二は少女の装備を注視していた。

厚手のシャツにズボン、ショートソードは同じだが胴に装備されている皮のベストは何となく曽二のものと比較すると頑丈そうであった。


続いて曽二は少女がどのようにして風を操っているのかについて考える。

風を操ったのは魔法なのだろうとゲーム脳で考える。

しかし魔法を使うにはだいたい杖がいるものなのだが、彼女は杖のようなものを持っていなかった。

何故?

それを少女に問いかけようとしたが、元の世界で異性と全く関わりの無い童貞曽二にとってそれは困難なものであった。


────────────────────


「はい、麻の納品を確認しました!お疲れさまでした!こちら、報酬となります!

それと、今回の治療は無料とします。次回からは気を付けてくださいね?」

「はい、こんなことがないようにします...」


治療を受け、なんとか依頼を報告した曽二。ベストの受付嬢に負傷に関して咎められながらもしっかり報酬金を受け取ったのだった。

そこに先程助けてくれた少女が近寄ってくる。


「お疲れ様。」

「どうも...あの、ありがとうございます…」

「いいよ、大丈夫。」


少女に礼を伝えてもまた素っ気なく返される。

とここでベストの受付嬢が手を叩いた。

曽二は肩を跳ねさせ、少女はゆっくりと受付嬢の方を向く。


「そうだ!お二人とも、パーティを組んではいかがですか?」

「パ、パーティですか?」

「はい。依頼は本来複数人でこなすことが推奨されているんです。ほら、今でも掲示板の前もいろんな人が集まっていますよね?」


と掲示板の前の広場を指す。

その方向には相変わらず多くの人でにぎわっている。


「冒険者さんの中には、固定でパーティを組んでいる方もいればその場に居合わせた方同士でパーティを組む方もいらっしゃいます。とにかく、依頼は複数人でこなす方が良いんです。」

「なるほど...」


そう頷く曽二。ゲームでも野良と組むことがあったのでそういうことなのだろうと理解した。

少女のほうも同じくコクコクと頷いており、曽二に視線を向けた。

少女に助けられたのも何かの縁。これはパーティを組むしかない。そう考えた曽二は少女に目を合わせて口を開く。


「あ、あの…あ、あ、あなたさえ良ければ

「じゃあ。」


スムーズに誘うことが出来れば良かったのだがそこは異性接点ゼロ。

ガチガチになってしまいなんとも残念な感じになってしまった。

しかもすぐさま回れ右をして立ち去られてしまう始末。

どうやらパーティを組む気は無かったようである。


────────────────────


パーティの誘いを断られながらもとにかく依頼達成して報酬を受け取り、夜の町を歩く。


『そういや天馬さんよ。』

『何?』

『ヴィリエ、どこ?』

『知らないよ、地図買ったら?』

『…地図はどこで買うの?』


曽二の問いかけに天馬は沈黙する。姿は見えないが、何となく汗をかいているような気がする。

“くそう”、と曽二が悪態をつきながら見上げると看板が目に入った。

頭の中にいるツッコミ役の天音は何も気づかない。

しかし曽二に電流走る…!


『ええっ…!?読める、読めるぞ!!』


元の言語(日本語)を忘れてしまったわけでもなく、新しい言語として頭に入り込んでいた感覚である。

そのおかげで、看板を頼りに何とかヴィリエの宿にたどり着くことができたのだった。


ご都合主義はやっぱりあるものである。

Aigi’s Talk

またも久々の更新となりました。

何回久々の更新と言えば良いんでしょうか?

ブルアカにハマって容量をぶっ飛ばして情緒をぶっ壊されたり、タブレットを見繕ったり、スプラ3で1のブキポーズの復活を見て盛り上がったり、マリオカート8DXでレートを上げたりしてました。


更新の期間が空くならば1話の分量をもっと増やすと目に留まりやすいと聞きましたが実際のところどうなんでしょう?

今は1話辺り2000文字を目安に書いていますが、1話単位の分量が多いとそれっぽいと言うのも分かるのでどこかで話をまとめてしまうかもしれません。

ではまたいつか。


(3/11追記)

現在を現実と書いたりなかなか文脈がカオスなことになってましたので直しました

後書きだけどやっぱりそこ直すの大事だと思います!


(9/10追記)

曽二君の最後のセリフをムスカっぽくしました

書き溜め無いので1から書かなければならない地獄ですが頑張ります

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