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冒険者になる。そして仲間は拾えない。

内容を考えて見直ししてたら一年経ちかけてたってマ?

チートなんて都合のいいものはないとわからせられた曽二。

そんな彼は泣く泣くヤケ食い…をかますことも出来ずギルドに併設された酒場のテーブルに突っ伏していた。


『まあ結局は努力して強くなれってことでしょ。』

『努力したくないでござる!絶対に努力したくないでござる!!』

『アンタは引きこもりか…』

『学校には行ってたわ!』


ファンタジーな世界(剣と魔法の世界)に転移したとしてもチートが無けりゃ無意味。それが今の曽二の心境である。

もちろん急成長する可能性やチート能力が解禁される可能性もある。

そもそもこういうRPGのような世界では努力をして(経験値を貯めて)強くなるのが基本なのだが...

どうにも異世界転移=チートが成立しなかったことによる虚無感が大きいようだった。


『は〜…チートがねェ!魔法もねェ!能力それほどありゃしねェ!お金がねェ!装備もねェ!仲間の一人もできやしねェ!俺らこんな異世界嫌だァ〜俺らこんな異世界嫌だァ〜けどどこにも行けねェだ〜…』

「ま、つまるところは努力をしなってことだよ。」

「あぁ〜…やっぱやるときゃやらなきゃいけないのか…え?」


脳内で会話を繰り広げていた曽二と天馬であったがそこにくぐもった声が彼の頭上から降ってきた。

驚いて顔をあげる曽二の視界には何かしら小動物を模したような仮面が飛び込む。


「私はフブナ。ここのギルドの冒険者ってやつさ。」

「あ、どうも...曽二です。」


曽二よりかは小さく華奢な体躯で短く見える黒髪をした少女(フブナ)は困惑した様子の彼に名乗った。

細身の剣を携えかつ軽装である所を見るに軽戦士(フェンサー)というやつだろう。

仮面の奥からは笑みを含んだ調子で言葉がとんでくる。


「その様子を見るに、どこかの家から命からがら逃げ延び、食い扶持を稼ぐために冒険者になったは良いものの、測った自分の力が恐ろしいまでに低かったことに絶望した...だね?」


心を読んだような言い方の彼女の推測は一部は当たっていた。流石にどこかの家云々の下りは違うのだがもうそういうことにしたほうが都合がいいのではないかと曽二は考える。そのほうが色々都合が良いと結論に至った彼はその言葉に頷くのだった。

その首肯を見たフブナは懐から小さな袋を取り出し、ジャラと音を立ててテーブルに置いた。


『オカネ!』

『ちょっ、信用できないでしょこんなの!』

「近くのヴィリエって宿で十日分寝泊りできる分はあるから。おつりは服の新調に回してもいいよ。」


目の前に置かれた硬貨入り袋に飛びつく曽二と危険だと咎める天馬。

そんな脳内コンビのやり取りも聞こえないフブナは続ける。


「後、ギルドには麻集めの依頼があるからそれも受けると良い。それを受ければ装備を支給してくれるし、依頼をこなせばその装備ももらえるからね。」

「なるほど...何から何まで、どうも。」

「いやなに、私も前までは君と同じ境遇だったものでね。途方に暮れてた時、師匠が同じようにしてお金をくれていろいろなことを教えてくれたんだ。

君も私を頼ってね。同じ宿に泊まってるからさ。」


と上を向いて語った後彼に視線を向けるフブナ。彼女もまた、右も左も分からなかった頃に誰かにアドバイスをもらったのだろう。

誰でも最初は初心者という言葉を何となく思い出した曽二は彼女に礼を言い、酒場を後にしたのだった。チートが無いことによるヤケは曽二から消え去っていた。


...この後最初の仲間(フブナ)を勧誘しておけばよかったと急いで酒場に戻ったが彼女はすでにおらず半泣きになったのは秘密である。


────────────────────


「では、装備を持ってきますので待っててくださいね。」


先ほどの褐色肌のお姉さんとはまた別の茶髪にベストをした受付嬢に例の依頼を受ける処理をしてもらった曽二。

そんなに時間をかけずに彼女は装備をこちらに持ってきたのだった。


普通の服と比べると厚めなシャツのようなものやズボンに皮のベスト、そして足首より少し高いくらいのブーツにいわゆるショートソード。

それはまさに剣と魔法の世界(ファンタジーな世界)の冒険者というにふさわしいものだった。


先ほどのヤケはどこへやら。曽二は新しいゲームを買ってもらった時のようにワクワクしていた。

そして受け取った装備をその場で着ようとしたが天馬に咎められたので更衣室のようなものを借りてそこで着替えるのだった。


────────────────────


頭の中にいる→視覚を共有している→曽二が着替えたら自分も曽二の体を見ることになるという事案(逆ラッキースケベ)に気づいた天馬に着替えるなと脳内できゃんきゃん吠えられたり、なぜかポケットに謎の紐が入っていたりもしたが...

実際身に着けてみるとなかなかそれっぽいものである。オレカッケーなあまり剣を構えてポーズをとってみたり。


「よくお似合いですよ!では地図にマークされているソフェルト森に向かってください!」


拍手をしながらそう言った後、受付嬢はバツ印がかかれた地図を手渡した。

彼はそれを受け取り、目的地であるソフェルト森に向かったのだった。

Aigi’s Talk

いやあ半年くらい越しの更新でした。大変大変。

文の推敲を繰り返しまくっていたらこのザマです。

勢い大事。

書き溜めはあるので次の更新は比較的早くなるかも...?

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