表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/6

チートかと思った?残念、一般人でした!

次話書くのに1ヶ月以上時間がかかるってマ?

幌馬車は町に到着した。曽二の他に乗っていた数名が、御者(ぎょしゃ)であろう髭面の男に硬貨を払って降りる。

彼もお金を払おうとポケットを漁ったが、何も持っていなかった。当然財布もなければ硬貨の類も無い。

これでは無賃乗車になってしまう。そう焦った曽二だったが、御者は手をあげてこう言った。


「運賃は要らんよ。ただ捨てられた少年がいたんで近くの町に運んでやっただけだ。」

「...ありがとう、ございます。」

「礼もいい。ほれ、降りた降りた。」


馬車から追い払われるままに降りて目に飛び込んできたのは石畳に木骨造や石造の家が並んでいるというまさにファンタジーの世界(剣と魔法の世界)ですと言わんばかりの町並みだった。


────────────────────


『さって…これからどうするよ?』

『まずは服をどうにかしない?多分だけどその服浮いてるよ。』


曽二が脳内の天馬に問いかけるとそう返ってくる。

先程幌馬車に乗り合わせた人達や周りの人の服装は皮のジャケットとマントや、18世紀(ヴィンテージ)的なチュニックといったものだったのだ。

対して今の彼の服装は黒のTシャツに七分丈のスボン、と天馬の言うように周りと比べてしまえばどうしても浮いてしまうのだ。


『…お金は?』

『……私が知るわけ無いでしょ。』


服を身長仕様にも、幌馬車の運賃が払えなかったように曽二は無一文なのである。

ならば何かしら仕事を探すべきだろう。どうしたものかと頭を抱えたところ、同乗者であった男女の話が聞こえてきた。


「そういや、アンタなんでこの町に?」

「ギルドよ。この町にあんでしょ、キルド。」

「お、冒険者になりにきたクチかい?実はオレもこっちのギルドに用があってだな…」


その会話によると、この町にはギルドというものがあるらしい。

ギルドといえば、ゲームでは冒険者に仕事を斡旋する役割を担っていることが多い。となればそのギルドに行って冒険者登録をすれば仕事がこなせばお金を稼げるのだろう。異世界ものやファンタジーの定番である。

そう考えた曽二は天馬にその旨を説明しつつギルドの方に向かった。


───────────────────


ギルドの外観は石造で、そこらの民家と比べるとふたまわり以上大きかった。建物の前には噴水広場があり、この町の建物の中ではかなり目立っている。

入り口ではたまに武器を持った冒険者と思しき格好をした人々が出入りしている様子がうかがえる。


『ここがギルドか...』

『ここで仕事をしてお金を稼げるってわけね。』


建物に入って真っ先に視界に飛び込んできたのはホールにざわざわと集う冒険者達だった。4人で集っている者達、1人で行動する者、その1人で行動している者に声をかける者とそれぞれが様々な行動をとっている。

奥には受付と思しきカウンターが。その横には2つ大きな掲示板があった。

とりあえずは人波をかき分け、受付に向かうこととした。


受付の目の前についたところで胸元に小さな悲鳴とともに衝撃が伝わった。視線を下ろせば、こちらに視線を向けるショートヘアに耳の前のひと房だけ伸びたプラチナブロンドの髪の少女が居た。


少女は無言で退けたので曽二もそれに会釈で返してカウンターに向かう。

胸元をはだけさせた服装をした褐色肌で銀髪ロングの女性がこちらに視線を向けた。おそらく彼女が受付嬢をしているのだろう。

一瞬視線がはだけた胸元に向きかけたがすぐさま視線を顔にもどし、要件を伝える。


「冒険者登録をしたいのですが…」

「それなら…ええと、ちょっと待っててね。」


と雑多なものがごちゃごちゃと置かれた物の中から手の平大の水晶玉のようなものを取り出した。


「これに触って、少し待っててちょうだい。」


水晶玉をこちらに差し出した。これが冒険者としての能力を測定する物だろう。

定番であればチート能力やステータスがあると分かりギルドは大盛り上がりになるはず。意気込んで水晶玉に触れた。


受付嬢は水晶玉を凝視した。そして何のリアクションもなく白いカードのようなものを取り出して水晶玉に押し当てる。30秒ほどたったところでカードがチカッと光った。


「はい、これ。」


カードを受け取り内容に目を通した曽二は沈黙した。カードにはゲームによくあるSTRやVIT等のステータスが書かれている。

そのステータスの数値の横にGやFと書かれている。様々な育成系ゲームをやってきた彼には分かってしまった。


(コレ、チートジャナーイ!)


────────────────────


日常に少なからず退屈していた曽二はトラックに轢かれたり、通り魔に刺されたり、雷に撃たれたわけでもないがとにかく異世界に行くことができたのだ。


やったね。すごいね。


しかしそんな異世界に付き物なチートで俺TUEEEEできるかも、という希望は消える。

女神と名乗る女性がチートの代わりに女の子を与えたというのだ。

けれどもどこかで「あの女神と名乗った女性は嘘をついた、あるいは本物の女神ではないんだ」と都合良く思っていた彼はステータスを測る水晶玉に触れた。


それがこのざまである。

Aigi’s Talk

ということでついに第3話となりました!

1ヶ月以上ぶりですね。やばいですね☆

どう話を広げるかが思い浮かばなかったり、ゲームをやってたり、ウマ娘にはまったり(推しはマルゼンスキー姉さんとクリークママです)…

とりあえず次回更新も恐ろしく時間がかかることとなりそうですが、どうか応援していただけると幸いです!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 早く続きが読みたいです。オナシャァァァス!!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ