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頼るべき仲間

カイン 主人公30歳 異世界転移済み。

 右目負傷につき眼帯使用中

イナホ 狐+美女 ククリナイフ、ボウガン

ソルデ ギルド兼酒場スタッフ

ガイ ソルデの兄、正確悪い自衛団所属

ギース ベテランハンター ランク銅

アスナ 元嫁 異世界歴11年の先輩

シュウ キョウ遺跡にある神社の宮司


アスナとシュウと話したあと、俺は颯爽と来た道を引き返した。キョウ遺跡とウゴの村は片道4時間くらいだと思う。


まだ3時前だからこれなら帰れるな。

ちょっと暗くなるけどまぁペース早めで戻ろう。


俺とイナホは少しペース早めでウゴの村へと戻ることにした。魔物もできる限りスルーして戻っていくが、この前のアンデットの大元がどこにいったかは気を配りながら歩いた。


ただ、俺がアウルベアの生首に顔面を食われたあとは怨念の気配も近くになくなったとイナホから聞かされているので、どの辺りにいるのか皆目検討がつかない。


あと2日で見つかるのだろうか?と不安になりながら探す。イナホにも協力してもらって怨念的なものの気配も探ってもらう。


ただ、闇雲に探しても駄目なのか今回は見つからずにウゴの村まで帰ってきてしまった。


ちょうど日も沈んだ頃だったので俺達はとりあえず酒場へ向かう。ギースに相談でもしてみよう。


予想通りギースはいつもどおりカウンターで一人で飯を食っていた。今日は親子丼みたいなのを食ってる。

なんか俺も食べたいな……。


「ギースさん、ここいいですか?」


「おぅ。カインか。いいぜ。今日は全然見かけなかったな。何してたんだ?」


「その前に、夜の酒場の営業時間に帰ってきた時、コレってどうします?」


俺はおもむろに今日狩ってきた魔物達を見せた。


「お?依頼か?」


「いえ、依頼というとちょっと遠いんですが……」


「うん?じゃあ乱獲か?」


「まぁー、そうもとれますけど……」

俺が言いにくそうにしていると


「この子達は私を狙ってきた子なの、だから刈り取った。乱獲ではないわ。それに、ギルドの依頼はアンデットの大元、怨念の処理だから、前みたいな殺したあとの死体に憑依してこないか試してみたのよ。結果は何もおこらなかったけどね」


横からイナホが、バシッと言ってきた。

……男前だな。頑張れ俺。


「カッコイイな。嬢ちゃんの方が男前だ。頑張れカイン。」

……わかってますよ。


「それで、ギースさん。この狩ってきた魔物って夜の場合どうするんです?」


「魔物って言っても動物の死骸になる。時間も経てば腐るからな。

だから腐らせないようにギルドには夜間対応用の無人倉庫が建物の地下にある。

そこは常にちょっとヒンヤリしてるんだが、入口のとこにある2枚ある番号札の1枚を魔物共を纏めてつけときゃいいんだ」


「あ?そんな処理なんですね。わかりました」


「明日の朝にもう1枚の番号札をギルドに渡せばそれで処理してくれる。

どうもどこの村や街行っても同じらしいぜ」


「そうなんですね。わかりました。ちょっと行ってきますね」


俺は一人で指示されたように対応するのだった。案外パッと見でわかったからどうということはなかったが、流石に死骸がたくさんおいてある暗い部屋ということもあって薄気味悪い。

俺はいそいそと酒場に戻った。


酒場に戻るとギースとイナホが話してる。

イナホに話しかけるなんて珍しいな。


「で、イナホちゃんは急にその身体になったけど、要はなんでもできるってことか」


「そうだよ。希望があるならどんなでも自在だよ」


「じゃあ、せっかくだからもっと巨乳にしたらどうだ?

そしたら更に魅力が上がるぜ」


「え?ホント?じゃあやってみる!」


ドロンッ!ボイーン。

「オッホホー!!」


「って、何やっとんじゃーいっ!!イナホも『え?ホント?』じゃねぇよ!明らかにワザとじゃねぇか!?」


「チッ。カインも喜ぶと思ったのにな。しょうがないもとの体型にしとくよ。動きにくいし」


ドロンッ!


いちいちどんな変身方法だよ。ドロンで返信とかいつの時代だ!?

ま、いいけど。


俺は今日のカウンター担当のソルデをよんでとりあえずのビールと豆の甘辛炒めと、白身魚の香草炒めと純米酒を頼んだ。


なんか、思いっきり睨んでオーダー受けてったけど、巨乳トークは俺じゃないからねっ!ソルデさんはスマートなボディーとか別に思って……


ビュッ カツンッ!「どこ見てんのぉ!」

空の器が飛んできた。俺じゃないのに……。


「と、とりあえずそんなことよりギースさんに相談があります」


「ん?なんだ?」


「この前のアンデットの大元、怨念を探してるんですが、ギースさんならどこが怪しいと思います?」


「んー。いきなりだなぁ。あの怨念はもしかしたら、もういねぇかもしれねぇ」

「いない?」


「あぁ。だってお前の顔半分喰らい尽くしたら満足したんじゃねぇか?」


「そ、それでいいんですかね?」


「さぁーな。俺も本腰入れて調べたわけでもねぇしな。まぁーイナホちゃんに聞いたけどあと2日あるんだろ?なんとかしようぜ」


ギルド依頼の辛い時はこれだ。

目標が見つからない。

どっかに攻略本でも落ちてないかねぇー。


「今日はイナホにも認知機能高めて調査してもらってもだめでしたからね……」


「はぁい。おまたせぇ。ビールと豆の甘辛炒めと、白身魚の香草炒めと純米酒よ」


頼んだものが全部一度に揃って少し戸惑ったがお構いなしにソルデが配膳しながら話しかけてくる。


「カインくーん。お兄ちゃんの依頼大変なの?」


「ん?ま、まぁー大変ですよね。もう目標成仏していなくなってんじゃないかって思ってますけど。」


「え?そぉんなことないはずよぉ。お兄ちゃんまた誰かが襲われたとか言ってたもん」


マ、マジか。事件拡大中か。それなら明日早急な処理をしないとな。


「ソルデさん、ガイさんから被害者の被害ポイントや状況は聞いてますか?」


「それは聞いてないわぁ。自分で確かめてきてぇ。」


あぁダメだ。結構キツイな。何気に俺の初依頼なのに失敗からとかいやなんだが……


「おい。カインよぉ。おめぇなんで俺を頼らねえんだよ。おめぇの教育係兼ボディーガードだぞ」


「えっ?いやでもシルビアさんの事があって動けないんじゃ?」


「バカやろう。ここはアイツの生まれ育った村だぜ。俺よりも両親とか友人とか近くでサポートしてくれるやつはいるから大丈夫だ」


うん?なんか胸が痛む言葉だな。

不安な時も近くにいる人がいっぱいいるから大丈夫……か、なんかどうしようもなかったけど、アスナに申し訳なくなってくるな。自分達だけ異世界に飛ばされ過ごしてきた約10年。

そう思うとアスナはシュウとくっついて良かったんだろうな……。


「だからよぉ、俺がおめぇの手伝いしてやるよ」

「あ、ありがとうございます。」


「あ、あのギースさんもう一つ。せっかくなんで、お願いしてもいいですか?」

「うん?チマチマ面倒だなぁ。いちいち気ぃ使うなよ」


「えっと、気功術を教えて頂けませんか」

「ふん。いいとこ目ぇつけてんじゃねぇか。だがなぁ気功術は俺がハンターやることになって始めて習った術で1番最近カタチになった技だ。そう簡単に覚えられんぜ」


ふむ。イナホに教われと言われたがこれはかなり先を見越して早めに教わっとけということか?

まぁいいや。


「いいんです。それなら少しずつ続けますんで、何もやらないと進歩もしません。

もし娘の元に、たどり着いても肉の壁にしかなれません。それでは意味がないと思うんです。

だから、お願いします」


「ふん。だがおめぇの娘は"人買い"にあって農業国家イシカにでもいるんじゃねぇのか?肉の壁なんてのになるより、むしろおめぇの労働力で救ってあげたほうがいいんじゃねぇか?」


「それがですね。たぶん、娘を見つけたんですよ」


「なに?みつけた?どこでだよ」


「ギースさん。聖ニノ覚えてますか?」


「あん?当たり前だろ。シルビアの恩人だぞ。

しかもあの美貌にあの身体……ご馳走様だ!バカやろう」


いや、バカやろうはあんただ!人の娘捕まえて勝手にご馳走様するな。


「あ、あの……なんでバカやろう呼ばわりかは知りませんが、あの聖ニノが俺の娘、ニイナです」


「はぁ?どんな夢物語だよ……。なんでそう思った?」


こんな奇想天外話にもバカにしつつもちゃんと聞いてくれる。

ギースさん、あんた世界が違えばいい上司になっただろうよ。


「実は理由は今のところ2つあります。

一つは元妻の若い時に似てたこと。

一つはこの前のシルビアさんと俺にかけてくれた呪文のようなものを唱える前に"古来より伝わる日本ひのもと)の秘術"と言ったことです。

日本(ひのもと)ってわかりますか?」


「いや、聞かねぇ言葉だな」


「その日本(ひのもと)が俺達家族がもといた世界の国なんです」


ギースはあまりに突拍子もない物言いに次の言葉が出てこない。しばらくの間沈黙が続き、お互いのグラスを空にしてからギースが沈黙を破った。


「聞きてぇことが山ほどあるなぁ。

少し整理するぜ。

1. なんでおめぇの娘が高位治療術師みたいな貴族でもなれるかわかんねぇような職につけてるか。

2. なんでおめぇの娘が聖教国ロウにいるのか

3. おめぇはその秘術を知っているのか

4. おめぇも同じのを使えるのか

5. 娘の情報を知ってこれからおめぇはどうしたいか

こんなところか?」


「大事なお話ですね。ソルデさん!

ビールとウイスキー、純米酒をもう一杯ずつ。あとこのメニューに書いてるせんべいっていうのもお願いします。」


「ふん。相変わらずだなぁ。それよりおめぇ字が読めるようになったんだなぁ。

それに、せんべいって何か知ってんのか?」


「僕の予想では、お米を潰して平たくして焼いたお菓子じゃないですか?」


「お?お菓子がよくわからんが、まぁ正解だ。米を潰して焼いたもんに甘辛いタレがついててツマミにはもってこいだ。

いいチョイスだぜ」


やっぱりだ。

この世界はどこかでもとの世界とリンクしてるか、俺よりも前に転移してきた人がいる。

転移ものに優しいギルドシステムとか日本という単語もしかり、いずれこの謎は解いてみたいところだな。


「はぁい。ビール、ウイスキー、純米酒一杯ずつとせんべい3人前ね」

1個ずつ小皿に分けられてるのが嬉しいな。


さて準備も整ったし、

「じゃあ1つずつ話しましょうか。

1. なんで娘が高位治療術師みたいな職につけてるかですが……わかりません。


2. なんで娘が聖教国ロウにいるのかですが……これもわかりません。


3. あの秘術を知っているのか

……カタカムナは聞いたことはあります


4. おめぇも同じのを使えるのか

……多分使えません。やったことがありません


5. 娘の情報を知ってどうしたいか

……娘のそばにいって支えてやりたいです


こんなとこです」


「ふん。要するに何もわからんがわからんからこそ近くに行きたいってわけか」


「そうですね。そんなところです。でもその前に、気功術が習えるのなら習っておきたい!それが俺の願いです」


「そういうことか。いいぜ。

ただすぐに身につくとは思うなよ。

少しずつ鍛錬することを忘れんなぁ」


「わかりました。肝に命じます」


「よし。まずは基本だけ説明しておいてやる。気功術は気を操る術だ。それ故にまずは気を感じるところから行う。


気っていうのは掌から自然に出ている。だからそれを感じる方法だな。


両手を肩幅くらいまで広げて両掌を内側に向ける。そこから少しずつ掌を近づけていくと両掌で反対側の掌から出てる何かを感じるポイントがある。

まずはそれを知覚し、認識する。そっからだ。


それができたら気を掌に溜める意識をして、気を溜めた掌から反対の掌に投げて、キャッチする。それを投げ返してキャッチする。


これの繰り返しで、気の存在を感知し認識していく。これが気を使う際の基本だ」


なるほどこれ……であってんのか?全然分かんないがそもそもわからないくらいの微弱なチカラを意識するところからか。


一度ギースの硬功をみてるから、ゴールのイメージもできるけど、それがなけりゃ信じれないな。


想いのチカラが強いこの世界。感知し認識して、そこに"ある"と意識する。

ちょっとずつ積み重ねよう。



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