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初めての依頼へ

カイン 主人公30歳 元サラリーマン

異世界転移済み。頭に輪っか付、宝石商?

イナホ 天狐 日課:太陽礼拝

ギース ベテランハンター ランク不明

メイリン 酒場店員 昨夜カウンター担当


今はギースとギルドに来ている。


仮に一人で異世界生活になっても生きられるようギルドや異世界の知識について情報を集めている。


当面、お金に関して困りそうなことはなくなったので、この世界で生きるための情報が必要になっている。


そもそもこの世界において、外には魔物と呼ばれるケモノがいる。なかなかに物騒だが、ラノベ知識も潤沢な俺はその程度ではひるまない。


この街に来るまでにもしっかり1体仕留めて来ているのだ。自分の自力もあげて生存率をあげる努力は必要だろう。


まずは、さっき東の広場でギースが言ってた能力開花について知識を身につけよう。


「ギースさん。さっきお話してた能力開花についてギルドに詳しい情報があるって言ってましたけど、どこにまとまってるんですか?」


「さっきのな。そこのカウンターの中の書籍だわ。メイリンちゃん、ちょっと能力開花の本とって。」


「はい。カインくんのお勉強ね。大枠の今わかっている情報はここに書いてるけど、登録ないものも多いからそのつもりでね。」


渡されたのは本というよりバインダーだ。

1枚1枚に呼称とその細かな説明の記載があるそうだ。ざっと数えただけでもかなりの数がありそうなのだが、何を隠そう俺はこっちの世界の文字が読めない。


「ギ、ギースさん、大変申し訳ないんですが、僕はまだこっちの字が読めません。呼称だけでもちょっと読み上げてもらえませんか?」


「あぁーそうだったな。なかなか面倒なやつだ。」


「申し訳ないでぇす……」


「じゃあざっと言うぞ

 ・テレパシー、予知、透視、千里眼

 ・念力、念動力、サイコキネシス

 ・サイコメトリー

 ・瞬間移動テレポーテーション )

 ・念写

 ・発火能力

 ・物体取り寄せ

 ・ヒーリング

 ・催眠

 ・霊視

 ・降霊術

 ・チャネリング

 ・スピルチュアリズム

こんなとこか。満足か?」


「そうですね……ありがとうございました。」


超能力+霊能力って感じだな。

これはもとの世界でもできてた人がいるくらいだが、この世界はそのHow to.どうやって身につけるかが常識になってるってことか。


「ギースも親切ねぇ。」


「メイリンちゃん……これも仕事の一貫だ。カインからの依頼みたいなもんだ。」


ギルドの手前、依頼というのははばかられたのか、ギースさんと俺の関係は表向きギースさんのお人好しで成り立っていることになった。

その方が俺も気楽でいい。


「じゃあ、ギースさん俺はギルドでの仕事のいろはを学びたいので、ギースさんの仕事を見学させてもらえますか?」


「おぅ。イイぜ。じゃあ今日はどうしたもんかな?メイリンちゃん何かいいのあるかい?」


「うーん。じゃあこれなんかどうかな?ギルドの仕事っていうとまずは魔物の狩猟からでしょ!デスイーターが村の西側の果樹園あらしているそうなのよ。その駆除でお願いしたいな。」


「わかった。それにしよう。依頼人は誰だ?」

「西の畑やってるデバックさんって人よ。報酬はデスイーター1体に付き銅貨5枚ね。」


「まぁーそんなもんだろうな。どうせ群れで行動するし何体かいるだろう。

それに村の西側ってのがいいな。あの辺は薬草類も生えているしな。」


「ふふふ。教育熱心ね。じゃあ決まりね。処理しておくわ。」


「おう!任せた。カイン。いくぞぉ。」


なんかギースさんがカッコいい。こっちでは当たり前なんだろうが、自分の情報量が少ないから心強い。

情報は命。これからも積極的に仕入れていこう。


俺達はギルドから出た。


「で、カインよ。おめぇどんな武器が使えんだ?」


自分は空手の有段者なだけでこっちで役に立ちそうなレベルで使える武器はない。


「えっと、正直何が使えるってほど使えません。平和ボケの世界から来たんで。」


「ふ。んなもんあんまり期待してねぇよ。何を使いこなしていきたいとかあんのか?ちなみに俺は元々銛使いだったから、槍くらいしかよくわかんねぇぞ」


「そうですか、じゃあ槍を教えて頂きたいですね。」


餅は餅屋にって言うしな。得意な事を学んだほうがいいだろう。


「じゃあまずは武器屋だな。金も持ってんだ。銀貨50枚くらい出しても命のほうが大事だからな。」


「そうですね。じゃあお願いします。武器屋行きましょう。」


「それと、おめぇ飛び道具はなんか持ってるか?」


「あっ、ありますけど、今は重いのでギルド上の宿泊施設に置きっぱなしですね。」


「それは、なんでだ?飛び道具でも常に持ち歩いといた方がいいだろう?」


「残念ながら、重いんです。」


「……ふ。聞いた俺が悪かったよ。鍛えようぜ。」


あれ?かなり残念なヤツに勘違いされてる気がする。けど、まぁ事実だしわざわざ掘り起こすのも変な話だから今はそのままにしておこう。


−−−−−−−−−−


俺は武器屋に来ている。

正直ワクワクが止まらない。まるで少年の気分だ。この中から自分が命を預ける武器を選ぶんだなぁ。


今回は槍だがどんな物がいいか。


「カインよぉ。俺は残念だがおめぇがどれくらい戦いに適正があるかわかんねぇ。

とにかく敵が近づいたら槍の先端を向けて威嚇してもらう。

特に今回のデスイーターみたいなすばしっこいやつには攻撃を当てるより、武器突き出しといて向こうから飛び込んできてもらってダメージを与える方がやりやすい。」


そう言って差し出してきたのは、西遊記の沙悟浄が持っているような槍だ。

月牙鏟(げつがさん)っていうらしい。


刺股みたいになっている方の反対側は鉄板焼の大型のコテみたいな刃だ、この武器はこちらで切ることがメインのようだ。

とりあえず、使ってみないことには試行錯誤ができないから、俺は銀貨10枚でこの武器を買うことにする。


こんな流れで防具も、指示をもらいながら動きを抑制しない機動性を優先した革製の腕あてや上着などの装備をいくつか購入した。存外この革は固くて防具になりそうだ。

もちろんもとの世界から持ってきた服装の上につけられるような物だ。こっちも銀貨10枚。


お金があるって、素晴らしい!


武器 月牙泉

防具 革のベスト

   革の腕あて

   革の膝当て

   

出費合計:銀貨20枚

所持金:金貨2枚、銅貨15枚


こうして俺とギースとイナホは装備を整えて依頼遂行に向かうのだった。


それにしても、イナホって俺と二人の時しか全然話さないよな……神様だからか?そんなもんか?



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