表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/71

郷に入りては郷に従え2

カイン 主人公 30歳 ムスコン

イナホ 天狐 農耕の神

ニイナ 16歳の愛娘 

    異世界との時差で年齢差縮まる

タムル ウゴの村 村長 ギルドオーナー

マスター 村営酒場のマスター

メイリン 村営酒場のウェイトレス1

ギース  30台後半のベテランハンター



「「カンパーイッ!!」」


なぜかわからんが俺による、俺の個人情報を、俺だけが話す。罰ゲームみたいな暴露大会が始まった。


「で、おめぇよー。なんか換金したい物があるんだろ?何を換金したいんだよ。」


俺は数々の指輪を持ってきていたが相場確認のため、自分のポケットに形状の異なる複数の指輪を、入れてきている。


丁寧にそれぞれをシルクの布で包んであるので傷はつかないはずだ。


「ギースさん。だいぶ悪い顔で近づくのやめてもらえませんか?

ちなみに換金したいものは指輪です。金の指輪とか石のついているのとか色々ありますが、相場が高いのはどんなものですか?」


「まぁ、順当に金の指輪だわな。あとは装飾が凝った指輪は職人の手心が入って希少価値があがるからそれなりにするぜ。」


予想通り!俺は一番シンプルな純金の指輪からお披露目する。


「見てもらいたいのはこれですね。」

「ん!おめぇこれ?金の指輪か!?どんなガラクタ見せるかと思ったら、おめぇ結構やるじゃねぇか!」

「ホントね!カインくんだっけ?いいの持ってるね。良かったら明日の昼間ならギルドでちゃんと鑑定かけるけど、金の指輪なら純度とか色々あるけど良いものは金貨3枚くらいの価格になるわよ。」


金貨3枚!300万円くらい!ヤバッ!

でも、表情に出さないようにして……


「よかった!でももう1つ教えて下さい!

今日、上の階で泊まるんですが一泊いくらですか?」

「ここの宿泊?銅貨50枚よ。お金がない場合はギルドに前借りみたいになるわね。でも、カインくんは大丈夫そうね!」

銅貨50枚。5000円くらいか。


「わかりました!やっと安心できます。

ありがとうございます!」


「ちょっとメイリーン!サボってないで手伝ってー!」


「はーい!じゃあカインくん!明日またそれ持ってギルドに来てね!グビッ!ご馳走さまっ!」


あ。俺のビール全部飲んでった。


「相変わらずメイリンちゃんはドタバタだなぁ。で、おめぇよぉ。他にもあるんだろ?見せてみろよ。」


うん?なんかカツアゲみたいになってきた。ギースさん大丈夫かなぁ?

でも、分からないことだらけの異世界には絶対的な味方が俺には必要だ。

加えてギースさんは困っている人を助けたがるタイプ。とりあえず味方につけとこっかな。


「ギースさん、なんかカツアゲみたいな雰囲気でてますよ。ま、いいんですけど。

1つだけ約束してください。このことは内密にしてください。まだこっちに来てすぐに怪しい人に目をつけられたくないので。」

「ふっ。わかったよ。」

「じゃあ、これ、一個口止め料です。」


俺はギースにさっきの指輪を渡した。


「なっ!?おめえこれ??気は確かか?」

「もちろん!実はあといくつか持ってきてるんです。ただ上手に換金しないと心配で。だから、僕の教育担当兼ボディーガードにそれでなってもらえませんか?もちろんずっとじゃなくていいんで!」

「な、いや、でも、おめぇ。」

「大事なことなんです。ちょっとだけ僕の話をさせてくださいね。

すいませーん!ビール1個とウイスキーのボトル追加で!あとおつまみの盛り合わせください!」

「ボクの酒も。」

「すいません!酒も!」


「おめぇ、なかなか強引なやつだったんだなぁ。」

「やだなぁ。大事な話を聞いてもらう環境整備じゃないですかぁ。

それで、そもそもなんですが、僕はご存知の通りこの世界には転移してきました。」


「はい!ビールとウイスキーボトル追加と冷酒ね!あとおつまみ盛り合わせも!」

「ありがとうございます。」


なぜかメイリンさんもガッツリ聞く姿勢だ。


「じゃあちょっとお話させて頂きますね。僕はこの世界に転移してきましたが、それには理由があります。

実は自分の妻と娘が行方不明になって、この世界に飛ばされました。なんとか世界を超えてこちら側に来れましたが妻には会えましたが娘はこちらで行方不明です。

ムスメは16歳でニイナって言います。最期の消息は6年前に"人買い"に連れ去られたってこと。

ムスメが今、どこでどうしてるかわかりませんが、奴隷なら買い戻したいし、生きているなら支えてあげたい。全力を賭して。

ただ、この世界のことがわからなさすぎるんです。

だから、ギースさん、お願いします。僕を助けてくれませんか。」


俺はそっと金の指輪を。シルクの包ごとカウンターの上においた。


「フ、フハハハハハ。そうか、そうか!

"人買い"か……分かった。手伝ってやるよ。けどなぁ。さっきずっとじゃないつったよな?

俺にもやらなきゃならねぇことがあんだ。だからどっかで手は引くぜ。」

「あ、ありがとうございます!

ち、ちなみに。やらなきゃならないこととは?」

「ふ、おめぇの抱えてる問題に比べりゃ些細なことよ!またいずれ教えてやんよ。」

「わかりましたっ!ホントに助かります!これからどうぞ宜しくお願いします。」


俺達はグッと握手を交わした。

契約成立だ。


その様子をじっと見つめる者が2人。

1人はメイリン。

なんだぁーカインくん妻子持ちかぁー。なんて言っているが聞こえてないフリをしておく。


そして、もう1人はイナホ。

イナホは1つ隣の席に座りながらずっと黙りながらギースを見ていた。その深紅の眼で何を見ているのか。カインはまだ知る由もなかった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ