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11 頼まれ事と頼み事ー1

「な? 頼むって」


「いや、急にそんなこと言われても」


「これは雅人にしか頼めない任務なんだよ」


「勇者に魔王討伐を託す王様みたいなセリフだ」


 休み時間の廊下で颯太と会話を交わす。辺りでは男子がガムテープを丸めた物体でサッカーをしていた。


「だってうちのクラスで雅人が一番あの子と親しいじゃん」


「それはそうかもしれないけどさぁ…」


「な? な? 一度頼んでみるだけで良いからよ」


 話があると言われ付いて来た結果がコレ。さっきから両手を合わせて拝む姿勢の繰り返し。


「本当にやるの?」


「あぁ、俺は本気だ」


「やめといた方がいいと思うけど」


「身内の雅人には彼女の良さが分からないかもしれないが、俺にとっては女神様みたいな存在なんだよ」


「女神様ねぇ…」


「頼むっ、白鷺さんに一緒に遊びに行ってくれるように頼んでくれ!」


 彼が頭を下げてくる。精一杯に自分の意志を示してきた。



「はあぁ…」


 話し合いを終えると席に戻る。頭を抱えながら。


「やだなぁ…」


 面倒くさい頼み事を引き受けてしまった。まさか颯太がそこまで転校生の事に本気だったとは。


 どうやらこの前のコスプレイベントで華恋の姿を見て惚れてしまったらしい。一緒に遊びに行きたいらしいのだが、誘う勇気がない為こうして頼んできたのだ。


「席隣りなんだから直接声かければいいのに…」


 なぜ自分がこんな橋渡しみたいな事をしなくてはならないのか。ハッキリ言って損な役回り。


「むぅ…」


 窓際にいるグループの方に目を移す。智沙達とお喋りしている女子生徒に。


 確かに見た目だけは悪くない。でも中身がいろいろと残念な人物。友人は女神様と形容していたが、どう考えても彼女は悪魔だった。

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