どこにでもある小さな村の話
昔々のお話です。
あるところに小さな小さな村がありました。15人しかいない村民の仲は良く静かな生活を送っていました。
また、この村にはどこにでもあるような言い伝えがありました。
『黄昏時には悪い狼が出てきて食べられてしまうでしょう』
とある夕暮れ、村でいちばん美しい娘が家路を急いでいました。娘は言い伝えを知っていましたが、馬鹿馬鹿しいと思っていました。
だから、草むらからの視線も誰もいないのに聞こえてくる足音も気付かない振りをしました。
それでもやっぱり不安だったのか、家が見えてきたときはほっと溜息をついていました。煙突からは煙が出ています。おばあさんが夕食の用意をしているのでしょうか。
コンコンコン
「はぁい」
「帰ったわ。遅くなってしまってごめんなさい。」
そう言って家のなかに入ったとき、娘はおばあさんがもう亡くなっていたことを思い出しました。
[じゃあさっき返事をしたのはだぁれ??]
翌朝通りすがった村人は村民の数がまた減ったことを嘆きましたとさ。