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異世界物語〜銃を添えて〜  作者: 八橋響
11/38

初の大収穫〜指輪を添えて〜

こんにちは!

今日は二話めの投稿です!

例のごとく、見直しなしになります。ご了承ください。


リーシャの口調が安定しません助けてください。

 気がつくと、薄暗い場所で火が焚かれていた。

パチパチと薪が燃えるような音が耳に入ってくる中、俺は起き上がる。

「あ、リョウ。気がついたんだぁ〜よかったぁ〜…」

  洞窟の奥に進む道の方で待機していたリーシャが声をかけてくる。

「ああ…、おはようリーシャ。心配かけて悪かったな…」

「ほんとだよぉ〜、凄い勢いでゴブリンを倒したと思ったら急に倒れるんだもん〜、私はまだいいけど、アリアなんて半泣きでリョウに治癒魔法かけてたんだからねぇ〜?」

 そういえば、先ほどまで痛んでいた腹部と、肩が全く痛んでいない。

肩の方に目をやると、剣で斬られたはずの傷が綺麗さっぱり無くなっていた。

ただ、斬られた迷彩服は破れたままだったが。

「そうだったんだ…、俺はどんぐらい気を失ってた…?」

「ん〜…、大体半刻ぐらいかなぁ…」

 半刻…30分くらいか。

初めての戦闘に加え、色々と不思議なことがあったから…その影響なのか?

「ああっ、リョウさん起きたんですね!良かったです…」

 色々と考えていた時、洞窟入り口からアリアがやってきた。

手にはいくつかの草と赤い実…リンゴのような形をしたものがある。

「すいません、アリアさん…、ご心配とご迷惑をおかけしました……、それと回復魔法ありがとうございます」

  「そんな…大丈夫ですよ。何事もなくて良かったです…。あっ、あのこれリコルの実と言いまして…魔力回復にいいので良ければ食べて下さい」

「お手数をおかけします…ありがとうございます。頂きますね」

  アリアが持ってきたリンゴのような赤い実はリコルというようだ。

 手渡しされたそれを一口齧る

見た目はリンゴのそれだが、味はキウイに近い。酸味が強く、その後で甘味が出てくる不思議な実だ。

「美味しいですね…。ありがとうございますアリアさん」

  アリアに向け笑顔を作り、二口、三口と立て続けに食べていく。

確かに徐々にではあるが、身体の倦怠感が無くなっていくのがわかる。魔力切れって言うのもあったのか?


「でさっでさっ…、リョウさっきの“えあがん”の力は何だったのよ〜?」

 同じく、リコルの実を齧っていたリーシャが興味津々と言った風に質問をしてくる。

「それが…俺にもよくわからないんだ。 弓が壊れて…ああ、あのアリアさん弓の件については本当に申し訳ございませんでした…」

「大丈夫ですよ。あの弓もリョウさんに使ってもらえて良かったと思います」

「ねぇ〜ねぇ〜、それでそれでぇ?」

「悪い悪い…、弓が壊れてこのままじゃ危ないから二人を呼ぼうとしたんだ。そしたらさ…」

「うんうんっ」

 目をキラキラさせながら、俺に近づいてくるリーシャ。なんだか妹みたいだなコイツ

「そしたら、どこからか声が聞こえてきたんだ」

「…声?」

「そう、声。頭おかしいと思ってもらっても構わないけどさ…、“マスター使って!マジックバレット”って聞こえてさ。なんのこっちゃって一瞬思ったんだけど、マテバを握る力によってその声はどんどん聞こえやすくなってたから…もしかしてと思って、“魔弾”って言葉で発して引き金引いたら…あんな感じに」

「声…ですか。そのようなものは聞いたことがありませんね…武器の声…武器の…」

「あの光はねぇ〜、魔術師が初期魔法で使う“マジックミサイル”に凄く似てたんだよねぇ〜。なぁるほどねぇ〜…、でも武器の声かぁ…アリアはなんかわかったぁ?」

「ううん…分からないかな…。ただ、ギルドの文献を探ってみればわかることもあるかもしれないから、とりあえずギルドに戻りましょう?リョウさんも少し休息が必要だと思いますし…」


  二人のもわからないのか…、さっきの声は本当になんだったのか。

アリアが文献を見てみると言っていたことだし、その時俺も一緒させてもらおう。

「そぉ〜のぉ〜ま〜え〜にぃ?」

 アリアが燃えていた焚き火を消そうとしていると、リーシャが横で意味ありげに言う。

「その前に…なんだよ?」

「ゴブリンの洞窟はねぇ〜、お宝とか貨幣とかが置いてある場合があるんだよぉ〜? 今回のゴブリンの中にリーダーが居たわけだし…そのお宝も期待できるかなぁ〜ってさ?」

 歯を見せながら笑うリーシャ。

「そっかそっか!ありがとうリーシャ。ゴブリンたちの討伐の証も持ってこなきゃだしな」

「そうでしたね!じゃあ先に進みましょうか?」

「そゆことぉ〜!アリア照明の魔法お願いできるぅ〜?」

「任せて! “我らに闇を照らす灯火を トーチライト“」

  アリアが詠唱を完了させると、俺たちの半径5mが明るく照らされ、洞窟の内部が見えてくる。

先程、入り口から見たとき見えた別れ道はもちろんの事、その先に続く道も見えるようになっていた。

「これなら、先まで見えますね!流石ですアリアさん!」

「私はそんな…大した事ないので…」

  顔を赤くして、俯くアリア。

褒められることに慣れていないのだろうか?ただ、俺は純粋に凄いと思っているからそれを口にしているだけなのだが…

「ほら、二人とも行くよぉ〜?」

 先頭を歩くリーシャが、早く早くと手招きをする。

俺とアリアは二人で顔を見合わせ、クスリと笑ったあと、リーシャの後を続いた。


  左右二つに別れていた道の、左側の道を俺たちは今歩いている。

ジメジメとした洞窟内はお世辞にも居心地が良いとは言い難いもので、正直言うのであればさっさと退散したい。

キノコが頭から生えてきそうなぐらいの湿度でジメジメとしていた。

 数十分は歩いただろうか? その時やっと奥の部屋まで着く。

ここはゴブリンたちの寝床だろうか。藁や枯れ草を重ねてできた粗末な寝床が転々と設置されており、中はゴブリンたちの食べ残した肉や果実のにおいが混じって…生ゴミのような匂いが発せられている。

 あまりの臭さに鼻を抑えながらも、何かないかと部屋にはいり物色を開始する。

寝床を足でどかしながら中に何かないかを調べたり、部屋の隅っこに何かが無いかを詮索して見たが、めぼしいものは何も見つからなかった。

「此処には何もないようですね…、先程のもう一つの道を行ってみましょう」

 鼻をつまみながらだったので、声が酷いことになっていたが二人には伝わったようで、三人で引き返す。


 先程の別れ道まで戻り、右側の道を進む。

此方の道は先程の道と比べると綺麗にされており、格段に歩きやすかった。

 それと、もう一点違うところがあり道の途中途中に松明のようなものが置かれ、アリアの魔法なしでも十分明るく洞窟内を照らしていた。

ただ、アリアの魔法があれば外となんら変わらない明るさになるので、魔法は解除せずにそのままにしてある。

 数分歩いた時に、リーシャが急にしゃがみ込み、足元を見始めた。

「どうした?リーシャ何かあるのか?」

「ん〜、多分大事なものはこの先に保管してるみたいだねぇ〜…荷車を引いたような跡がずっと続いてるよ〜。」

 リーシャが指差すところには、たしかに何かが通ったような跡が残っていた。

「ほんとだ…、わかった急いで行ってみよう!」

  この先に何かがあるということがわかったので、足を早めて向かった。


  それから十分ほど歩いただろうか、ひときわ松明で照らされた一つの部屋が見えてくる。

一応警戒のため、マテバを取り出し構えておく。

 リーシャはレイピアを、アリアは杖を持ちながら部屋に入るとそこには倉庫のような作りになっていた。

「びんご〜!見てみようよリョウ!」

 リーシャは一足先に倉庫をあさり始める。

荷車や、鞄、武器や食料、何かが入っている布袋などが至る所に無造作に置かれている。

「なぁ…リーシャ此処にあるものって…」

「これだけの量があるってことはぁ〜、行商人とか冒険者を襲っていたんだろうねぇ…結構な数、ね。 ただぁ、さっきの寝床に女性が居なかったことを考えると、その中で犠牲になった人は居なかったみたいだよ」

 やはり、か。 わかっては居たが同じ人間が殺されていると言うことを思うと、少し漁るのに抵抗感がうまれてしまう。

「リョウさん…、一応こう言った魔物に奪われた物はその魔物を討伐したものに与えられる…という事になってますので…それは、行商人も冒険者も…わかった上で行動をしていますよ。 私も最初は抵抗がありましたが…、彼らが残していったものを私達が使う事で多くの魔物を討伐することができたり、一人でも多くの人を救えるのであれば…と私はそう考える事にしました」

「アリアさん…」

「ですから、リョウさんもそのように考えて見てはいかがでしょうか? 彼らの無念を晴らすという意味も込めて…ですね」

 アリアの言葉はまるで聖人の様な言葉だ。

ただの言い逃れかもしれない、責任逃れなのかもしれないが…此処にあるものを使って、俺は一人でも多くの人を助けられるようにするよ。

(やられたお前たちの無念…俺が背負うからな)

 そう心の中で呟き、俺もリーシャと共に倉庫を探し始めた。

 

 かなりの量があったため、時間が思ったよりもかかった。

体感で約30分程だろうか。

奴らが奪った物の中からいくつかをリストアップしてみる。

 鞄×5つ

 荷車×2台

 食料(非常食を含む)30人分以上

 剣や斧、杖などと言った装備品 12本

 鎧や盾と言った防具品 5つ

 腕輪やイヤリング、その他装飾品 4個

 等が主なものだ。

  その他にも、冒険者たちが身につけていたであろうナイフなど細々としたものもあった。

中でも綺麗なものを俺は自分の物として確保し、それ以外のものを鞄の中に詰めて全ての荷物を荷車の上に乗せた。

 

  あと一つ。これが今回の一番の成果と言っていいものがあった

山のように積み上げられていた物を片付けている途中、小箱を見つけ、アリアとリーシャと共に開いた。

中にあったのは青色の宝石がつけられ、奇妙な紋章が描かれた指輪だった。

宝石が取り付けられていることから、かなりの金額で売れるだろうとホクホク顔をしていると

「リョウさん…それは、魔力強化の指輪ですよ!」

「え、珍しいものなのですか?」

「珍しいよ!ふつうに買おうと思ったら金貨何枚分にもなる、すっごいお宝だよ!」

 金貨!その言葉に目が眩みそうになる。まぁ…とは言ってもこの世界の貨幣の感覚がまだわかっていないから、どのぐらい凄いのかっていうのはわからないんだが。

「それは、売らずにリョウさんが持っておくべきだと思います。いえ、そうしましょう!」

  落ち着いたアリアからは考えられないぐらい興奮した様子でそう言われてしまえば、そのようにするしかないだろう。

「は、はい──」

 

  ということがあり、俺の左手中指には魔力増加の指輪がつけられている。

光を反射しキラキラと光る宝石はとても綺麗で、とても神秘的だ。

  そういえば、この指輪指にはめたとたん俺の指にフィットするかのように伸縮し、俺の指にジャストでフィットをしてくれた。

  魔法の力ってすげー。


「いやぁ〜大収穫だねぇ…。初めてのクエストでこれだけの収穫があるのは凄いことだよ〜」

「本当ですね。リョウさんおめでとうございます」

 アリアは俺に笑みを向ける、それに答えるように俺も笑みを浮かべ

「お二人ともありがとうございます…。こちらの中から欲しいものがあれば是非もらっていってください!それと、これらを売却して出た金額をお二人に均等にお渡ししたいと思います」

「いえ、リョウさんそれは───」

「お二人は二度も僕の命を救ってくれましたよね。こんなものじゃ全然足りないと思いますが…。何よりそうじゃないと僕の気が済みません。僕一人ではここまでこれませんでした。

 受け取って…くれますよね?」

  二人は顔を見合わせ、アリアは困った顔を、リーシャはやれやれと手を挙げた

「そういうつもりで居たわけじゃないんだけどねぇ〜?まぁあげるって言われたものだし、貰っとくよぉ〜。 欲しいものは特になかったから私は売却でいいかなぁ〜」

「リョウさんも人の言うことを聞いてくれませんので…、本当は了承したくありませんが…仕方ないです。私も売却で大丈夫ですよ」

  リーシャは軽い感じで、アリアは少し怒りながらも、どこかしょうがないなぁ…という気持ちが含まれていた。

「はい!では、街に帰りましょう!」

  いちばん多い荷物が乗っているものを俺が引き、もう一つはリーシャが引いて行く。

  帰り際に、ゴブリンの討伐の証である耳と、装備品の棍棒、ゴブリンリーダーの耳と剣を拾い荷車に乗せ、アリシアに向けて荷車を引いて行く。

 

 こうして、俺の初めてのクエストは終了した。

総合PV1200を超えてました〜〜。

ありがとうございます。

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