色々変わったけど…久しぶりの学校
良かった。(来年じゃなかった)
今回から中学生編開始です。
「今日からかぁ…。」
壁に掛けられた制服を見て呟く。もちろんのことだが制服は女生徒用のものだ。学校側の都合じゃ無くて妹と母さんの希望。
「ねぇちゃん着替たー?」
部屋の外から妹が催促してくる。本当にコレ、僕が着るのか?
「着替えていくから先に下りて朝食べて。」
とりあえずこれで少しは時間が…。
「なかなか降りてこないからもう食べちゃったよ。」
え?桜(妹)が朝食をとり終えているということは、時計に目をやると八時になろうというところだった。
「すぐに着替える!」
遅れるのは言語道断だ。思考停止して新しい制服に腕を通す。一昨日一度母と桜に着方を教わっているので間違っていないはず。
「おおー!やっぱり似合うね!」
着替えを済ませて部屋を出ると桜が待ち構えていた。僕を足元から頭までじっくりと見てそんなことを言ってきた。
「嬉しくないからね?」
男の頃から女顔だとか言われておふざけ(だと思いたい)で女装させられて散々言われきたことだし嬉しくはない。
「そっかぁ。」
そんなに分かりやすくガッカリされてもなぁ。
「ほら、学校行くよ。」
「はーい。」
今日は妙に聞き分けがいい。何か裏があるのか?とか、疑ったらかわいそうだよな。
「失礼します…。」
教師達の視線が一斉に渚へ注がれる。やましいことは無くてもやっぱりちょっと怖い。そんな中から声がかかった。
「もしかしなくても笹掛君?」
「えっ…はい!」
声の主は渚のクラスの担任であった。
「こっち来てー。応接室空けてもらってるから。」
渚の横を通り過ぎてちょいちょいと手招きする。応接室へ移動、といっても隣だが。
「で、話はお母さんから聞いてるから特に聞きたいことは無いけど…笹掛君?ちゃん?からはなんかある?」
「君でお願いします。僕からも特には…。」
「じゃあホームルーム前までくつろいでおこう」
この人はいつもこんなでテキトーさだ。肩の力が抜けている、といっても良いかもしれない。…抜けすぎているといった方が適切かもしれない。
「そろそろ時間だねぇ。面倒くさいな。」
「今限りは同じ意見です。」
「かなり動機に違いがありそうだねぇ。ま、いいや。着いておいでー」
「とりあえず呼んだら入って来てね。」
「はい。」
…教室の前で待たされるのって緊張するんだな。転校生の気持ちが分かったかもしれない。
「笹掛ちゃん。かもーん」
扉を開けて中に入る。職員室と同様に大量の視線が渚へと向く。だが教師(大人)の視線と比べれば気は楽だ。そう思って足を動かす。
こんな姿になっちゃったけど、きっとなんとかなるよね?
ご意見、ご感想いただきたいです。ホントに。
良ければお願いします。