今日一日(4)
今回も例に漏れず短いです。
絶対印象最悪だよ。男でコレはさすがに無いだろうってヤツをフルコースでやってしまった。
「そんなに凹まなくても大丈夫だって」
中野さんの気遣いはありがたいけど同時に心に痛い。
「でも、あんな醜態を晒しておいて普通にすごせって言うのは難しいですよぉ…。」
「それ反則級だね」
「ふぇ…?」
今何か悪いことしたかな。まったく心当たりが無い。
「僕今何かしちゃいましたか?」
目をそらされる。終わったよ。どうやら見限られてしまったらしい。どうしよう。周りの目が怖い。ちらちらとこちらの様子を伺っているし、きっと邪魔にしか思われて無いんだろうなぁ。大人しくしていよう。これ以上何かしたらきっと前よりひどい思いをすることになる。それは、それだけは嫌だ。
どうしよう。さっきから震えが止まらない。引いた血の気が帰ってこない。ヤバイ。それは分かるけど何をどうすればいいか分からない。
「えーと…大丈夫か?」
「!」
反射的に顔を上げると見知った顔があった。
「…匠だ。」
「あぁ。久しぶりだな。もう大丈夫なのか?」
「う…な、なんともいえない、かな。まだ。とりあえずその目尻に溜めた涙を拭け。」
気まずい。あの時正気じゃなかったにしろ突き飛ばして逃げちゃったし。それに今もなんでか怖い。怖がるのがおかしいのは分かっているのに。
「笹掛ちゃんこの人知り合い?」
「あぁ。広瀬匠という。よろしく」
「こちらこそ!私は中野佳奈だよ。」
この二人あって数秒の人とこんなに自然に会話できるなんて。
「…二人ともすごいなぁ。」
なんで二人していきなりこっちを見てくるの?僕何かしたかな?また?
「な、なに?」
そんなにジッと見られると、その、怖い。
「うぅ、何か言ってよう」
「これ無意識でやってるの?」
「限りなく高確率で無意識。」
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