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夜の紳士

「こんにちは!今日も素敵な花ビラですね!お花さんさん!」

 さんの後ろにもう一個さんをつけるんじゃない。

 もうさん内蔵してるから!さんさんだと日光が降り注いでる感じになるから!

 しかしそんな声は誰にも聞こえない。

 とりあえず元気に挨拶する子供のゴブリンやらオーガやらに触手を振り返事する。

「おはよう、お花さんさん。今日も元気そうだな。」

 今度はブゴンだ。

 とりあえず触手を振る。

 俺がネームドだということはすぐに村中に知れ渡った。

 すると俺のことを一目見ようといろんな奴が家に挨拶にしに来たのだ。

 あまりにも大勢くるもんだからシルフィスが「邪魔です、無駄に客を呼んで私の平穏を壊さないで下さい。呼んでない?酒場にでも行けばいいでしょう。とにかく邪魔なのでどこかに消えて下さい。」とか言って追い出されたのだ。

 どうせ何言っても無駄だし仕方なく酒場に来たというわけである。

 ちなみに移動方法は触手で地面を這いずったり人の家に触手を引っ掛けて立体機動したりしてきた。

「よぉ人気者だなぁ、お花さんさん。」

 村長か、一体なんの用なのだ。

 私は今忙しいのです。

「ちょっと会ってもらいたい奴がいてなぁ。なんとなく察しはつくと思うがこの村のネームドの一人だ。」

 そう言い村長は俺を奥の部屋に導く。

 扉を開けたそこには女性用下着、、、いわゆるパンストと言うものを頭からかぶりふんどし一枚の大男がいた。

 はぁ

 思わずため息が出る。

 この村のオーガは普通に服を着ている。

 確かにオーガは身体はでかいがこの村にはオーガ服の専門店みたいなのもあった。

 だがやはり普通は着ないものなのだろう、着ていないやつもいた、しかし最低限腰巻きはしていたのだ。

 そんな中、腰巻きすらしていないこいつはやっぱり危ない奴だ。よし出よう。

 後ろでバタンと扉を閉める音がした。

 あっクソッ鍵かけやがったあのクソ村長!

 おい待て!まずシルフィスいないと会話が成立しねぇだろ!

 やめろ!こんな危なそうなやつと会話できない状態で二人きりになりたくない!

「大丈夫だ!そいつはオスオスと目で会話し友情を築いた事もあると言われている真の男だ!きっとお前の力になってくれるさ!」

 嫌だァァァこんなのと友情のちょっと向こう側なんて行きたくないィィィ!

 おい!あいつずっとこっち見つめてきてるんだけど!

「お花さん君、怖がらなくていいよ。大丈夫怖くないから。」

 あああああ!無駄にイケボなのが腹立つ!

「フフッこの被り物いいだろう?昔、二人の女性冒険者に襲われてね。その時奪ったんだ。よほど腕に自信があったのかオーガ相手にたった二人で挑んできたんだよ、それも真正面から。」

 、、、なんか喋り始めたぞコイツ。

「もちろん殺したさ、だが二人は確かに強かった。自慢の角が二本のうち一本折られたからね。」

 だから違和感があったのか。だが今は一本も生えていないぞ?もう一本はどうした?

「その時の二人がコイツを履いていたのさ。僕はこれを触った時とても驚いたよ。とてつもなく心地よい手触りに世界の広さを知ったのさ、だから頭にかぶった。」

 なんでかぶったの?履いてたじゃん?奪うじゃん?それをなんでかぶっちゃったのかなー?

「だが角で破れてしまったのだよ、幸いもう一人も履いていたがこのままではもう一枚も破れてしまう。だから折った。」

 折った?もしかして角?さっき自慢とか言ってた角折っちゃった!?

「その日、世界の広さを知った私はいろんな種族が住むという村に移住することを決めた。そして村長に名付けをしてもらったんだ。」

 ただのバカだ、、、。力になってくれる気が全くしない、、、。

「ところでお花さん君、、、。」

 ん?

「ベットの準備はできているんだが、、、これからどうだい?」

 嫌だぁぁぁ!やっぱ危ない人だったぁぁぁ!出してぇぇぇ!ここから出してぇぇぇ!

「ははは冗談だよ。流石に僕でも触手とするにはまだ経験値が足りないよ。でもまぁいつかは、、、ね?」

 ね?じゃねぇ!襲われる!嫌だ!もうこの村に居たくない!

 助けて!メアリたん!ランスロット!イーザさぁん!

「さて話は変わってネームドの話をしよう。」

 やっとまともな話になったか、、、。

「村長はネームドのボーナスをもらうには人それぞれ違う条件を達成する必要があるって言ってたらしいけど少し違う。厳密には3つの条件の中から一つ割り当てられてそれを達成するとネームドボーナスが貰えるだ。」

 、、、結構意味違ってきてると思うんだけど、、、あの村長大雑把すぎる、、、。

「3つの条件とはえーと、、、名前が世界に知れ渡り有名になることと自分よりはるかに強い相手に勝つ事、、、後は、、、誰かに名付けをすることつまりネームドにする事だね。ちなみに僕の名前はレイファス、条件は有名になることだ。」

 何お前だけカッコイイ名前つけられてんの?

 俺なんてズバババーンとか言う名前つけられそうになったんだけど。

 てかお前その格好で有名になると強くなるってずるいだろ!

「ちなみに人間の間ではこう呼ばれている夜の下着仮面レイファス、、、紳士なる夜の勇者レイファス、、、下着ドロレイファス、、、。」

 お前もしかして人間の街まで行って下着ドロボーしてんの?

 後、誰だよ紳士なる夜の勇者とか言ったやつ。



今回も読んでいただきありがとうございました

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