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お花さん♡

 雲一つない空を窓越しに見上げる。

「オーライオーライ 違う違う向き逆!」

 前の世界にいる家族や友達、隣の席の山田君は今頃どうしているだろうか。

「タンスはあっちに、本棚は向こうにお願いします。」

 いなくなった俺を探しているだろうか。そう思うと何か申し訳なくなってくる。

「了解、シルフィスさん!」

 あぁそれにしてもいい天気だなぁ、こんな日は日光浴に限る。

「おいそっちを先に置くな!こっちが通れなくなる!」

 なんか後ろでやってるけど。

「これが最後の荷物だ!さぁ運べ運べ!」

 ここ俺の家なのに俺のじゃない物がどんどん運ばれてくる。

「おっしゃー終わったー。」

 何が終わったのか。俺んち侵略計画?

「じゃあシルフィスさん、俺達はこれで。おつかれっしたー。」

 次々と家からオーガやらゴブリン達が出ていく。

 それを笑顔で送るシルフィス。

「お疲れ様でした。皆さんありがとうございます。」

 この黒髪ロングのエルフ、シルフィス。

 ここは俺の家のはずなのに9,5割コイツのスペースである。

 俺のスペースは窓の近くに置かれた植木鉢、これだけ。

 、、、なんで?

 もう一度聞くよ?

 なんで?

 拉致られて気がついたら村に住む事になってたんだけど。

 その上自分の家がさっきあったばかりの人に9,5割盗られてんだけど。

「おお!ここがお前の家か!ちょっとお邪魔するぜ!」

 さっきの人たちと入れ替わりにオーガの角が生えたゴブリンが入ってくる。

「村長?私の家に何か用ですか?」

 いやここは俺の家だよ!

「ああちょっとそいつに用があってな。」

 そういい村長は俺を指差す。

「うちの観葉植物に何か?」

 お前いい加減にしないと張り倒すぞ?

「ああちょっとな、少しばかり借りてくぜ。」

「どうぞご勝手に。」

 ご勝手にじゃねぇよ、何勝手に決めてんだ。

 てかコイツほんとに植物種と話ができるのか?

「じゃあいくぞー。」

 仕方ないな、丁寧に扱えよ?


 ついたのは村長の家、つまり酒場。

 前回来た時みたいに騒がしくない。

 というより人が全くいない。

「話と言うのはお前の名前についてだ。お前ってまだ名前ないだろ?」

 確かに、、、メアリにはずっとお花さんとか呼ばれてたしな。

「そこでだ、お前をネームドにしようと思う。」

 ネームド?何だそれ。

「ネームドとはこう魔力を込めてこうズバババーンって名前つけるとある条件がついてその条件を達成した時ドーンと強くなるんだ。条件は人それぞれだけどな。」

 ズバババーンってなんだよ。擬音語を使うな。

 まぁ大体分かった。

 強くなるってことだろ?じゃあいいよやってくれ。

 触手で頭の上に大きな丸を作りOKのサインを出す。

「わかった。じゃあ行くぜ!ズバババーン!」

 それ言うの!?

「ん?なんだお前もうネームドじゃねぇか。」

 は?いやいやいや俺魔力込めて名前つけられたことねぇよ。

「やり方は魔力込めて普通は名前呼んだり後は念じたりするだけと簡単なんだが、、、こんな色々リスクある事をやるやつが俺以外にいたとは。」

 待って、もしかしてお前俺の名前ズバババーンにしようとした?

 まぁいいや、それにしても魔力を込めて名前を呼んだり念じたりするか、、、。

 ん?待てよ。

 魔力を込めるって前になんかあったな。

 あれは確か俺の茎がメアリのせいでピンクと白のしましまになった時、、、。

 でもメアリは名前になるような事は言っていなかったし、、、念じてたとしてたら、、、。

 いやいやいやまずあの頃は魔物じゃ無かったし?

 でも実際についてるし、いやでも、ね?

 名前がお花さんっていうのはちょっと、、、ね?

 お願い!誰か違うって言って!

「ちなみにお前についてた名前は お花さん だそうだ。」

 イヤァァァァァァァァァァァ!

今回も読んでいただきありがとうございました。


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