魔物の村
村を守る為の木製の壁と大きな門。
そこには見張りなのか武装したゴブリンが2匹立っている。
「よぉブゴン。なんか収穫はあったか?」
「あったぞ。魔物を1匹連れてきた。」
「、、、見たところどこにもいないが。」
いるだろーここだよここ!
「ああそうなんだよ!このリーダー植物系の魔物連れて来やがった。馬鹿だよなぁ?なぁ?」
リュウザが話に割り込んでくる。
相手に無理やり同調を誘う様に喋りかけているその姿は人間だった頃となりの席の学校一大人しい男と呼ばれた山田くんにパシリをさせるヤンキー達を連想させる。
「植物系か、これはまた変わったのを連れて来たな。もう住むって決めてくれたのか?」
いや決めてまセーン。
というか拉致られたんですけど俺ー。
しかしそんな俺の言葉なんぞ二人には聞こえない。
「いやエルフとかじゃないと植物系の話は聞けないからな。これからシルフィス連れて村長のところへ行く予定だ。」
「じゃあ俺がシルフィスのとこ行くわ。先村長のとこ行ってろ。」
おお、なんか知らんが手伝ってくれるらしい。
テテーン俺のほんのちょっと誤差の範囲だけど好感度が上がった!
「いいのか?」
「ああ、見張りサボる口実になるからな。」
そうゆう事か。
俺の好感度返せ。
そういやリュウザが急に大人しくなったな。
そう思い視点を後ろに向けるとオーガに口を塞がれ黙らされていた。
ふ、ザマァ。
「そうゆう事だ。ちょっと俺行ってくるわ。」
「、、、。」
返事が無いただの屍、、、では無いか。
寝てるみたいだな。
「おい!」
片方の門番がもう片方の寝ている門番の頭を叩き、起こす。
「ん?ああ行ってらっしゃい。」
そうゆうと門番はまた目を閉じる。
大丈夫なのかこの村、、、。
村に入ると辺りは市場で賑わっていた。
「あ!ブゴンのお兄ちゃん!今日は何狩ってきたの!?」
近くで遊んでいた子供達が寄ってくる。
ゴブリンにオーガ、耳が長いのはエルフでいいのか?
「今日は仲間の勧誘なんだ。また村に新しい仲間が増えるかもしれんぞー。」
拉致の間違えだろ。
「マジで!?兄ちゃんスッゲー。」
「今から村長のとこ行かなきゃいけないんだ。もう行くな。」
「おう!頑張れブゴンの兄ちゃん!」
結構こいつ子供に人気なんだな。
部活の後輩以外の年下はウザい事ばっかしてくる弟しかいない俺から見たらちょっと羨ましくもある。
子供と会ったところから20分くらい歩いたがもう結構な数、話かけられている。
その度に5分くらい会話するのだ。
一回が少ない時間でもあまりにも多すぎる。
そろそろついてくんないかな、、、。
マジでなんもしてないのに疲れてきた、、、。
「よし到着、ここが村長の家だ。」
そう言ってついたのは酒場っぽいところ。
表にメニュー表らしきものといくつかテーブルがありそこで魔物達が飲み物を飲んでいる。
あの端っこにある樽に書いてある大きな文字どっかで見た事あるが、、、ああそうだ。
メアリのとこで見た樽の文字と同じだ。
なんか「お花さん!私文字も読めるのよ!この樽にはね、お酒って書いてあるのよ!お父様は美味しそうに飲むけど子供は飲んじゃダメなんだって。」とか言ってた。
やっぱ村長の家は酒場なのか?
おいおい冗談だろ。
俺の異世界のイメージが壊れるんだけど。
しかしブゴンはそのまま入って行く。
中はウェイトレスがあちこち走ったり客が騒ぎながら酒を飲んだりと人いや魔物で賑わっていた。
やはり酒場か、、、。
読んでいただきありがとうございます。
今回も時間かかってしまいました。
次も時間かかるかもしれません。